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2024-11-07

自動車歴史スタンダードな車 10

波が引いたような気がするが、乗ってみる。

スタンダードを作った車、塗り替えた車から選択10選は、選外を含めてそれほど異議はない。

anond:20241028235025

しか自分なりに選べば違う別の10選ができるかも、と思ったが……

選ぶべき「スタンダード」が多すぎて収拾がつかなくなった。

方針転換して、「どんな車がスタンダードなのか」にしたら、若干は絞り込みやすくなった。

知名度生産期間・累計生産台数・派生車種の多彩さを考慮して選考

ライセンス生産車も同じ車種として扱い、シリーズ終了年もそっちの方を採用

もちろん独断偏見だが、ほぼほぼ定番の車ばかりなので、技術的な解説は無し。

順位はつけず、年代順です。

ロールス・ロイスシルヴァゴースト  1906~1925 6,173台

生産台数はそれなりだけど、頑丈で車両寿命が長いので、時代を超えちゃてる。

派生車種に装甲車もある。

このクラスの車は霊柩車採用されることが多い。

英国では、誰でも一生に一度はロールス・ロイスに乗れる」

フォードモデルT  1908~1927  約1,500万台以上

ヘンリー・フォードモデルチェンジを一切認めず、生産設備等をこのモデルに全振り。

生産終了時に次期モデルが用意できず大騒動

シトロエン・トラクシオンアバン  1934~1957  約76万台

長寿車になってしまったのは、第二次大戦後復興期にモデルチェンジが後回しされたため。

とはいえ、外観は古風だが、性能的には最終期まで競争力が有った模様。

エンジントランスミッションはHトラック転用された(物理的にも180度回転させている)

DSの登場で、やっと引退

フォルクスワーゲン タイプ1  1938~2003  約2,153万台

メキシコ1955年ノックダウン生産開始から2003年の最終モデルまで、ずっと作り続けていた。 

同国でも「国民車」

ジープ  1941~

ライバル車は、車オタじゃない一般人にとっては「ベンツジープ」「トヨタジープ」「イギリスジープ」だ。

ライセンス生産最後まで続けていたのは、インドマヒンドラ

自社ブランドマヒンドラ・タールは、外観・装備をラングラーに寄せているが、中身はおそらくそのままだろう。

フォルクスワーゲンタイプ2  1950~2013 

現在売れ筋であるRVミニバンSUVは、そもそも素人お断りな「はたらく車」がルーツ

アメリカだと税金の安さもあってピックアップトラックも含むが、「はたらく車」を「自家用車」的に使う人が多数存在した。

メーカーがそれに気づいて一般向けに再開発した、という歴史があるのでジープと共に選出

公式では、ブラジル生産コンビ(KOMBI)2013年モデル生産終了とされているが、個人的には2006年空冷エンジン廃止で終了な印象

ヒンドゥスタンアンバサダー  1958~2018

ベース1956年英国モーリスオックスフォード シリーズⅢなので、この位置

ロータスセブン  1957~

自動車産業黎明期から人々はレースで競い、「スポーツカー」というジャンルも早々に誕生。 皆が公道最速最強を目指し、開発を続けてきた。

エンジンを大きく、空力ボディ、軽量化効率的駆動方法サスペンションタイヤなどに最新テクノロジーを詰め込んでいくのが定番、と思っていたら…

当時のレーシングカー公道仕様にしたら、究極のスポーツカーになった

フィアット・124  1966~2012  2,300 万台(ドイツ語Wikipedia情報

ライセンス生産した国は ソ連/ロシアインドマレーシアスペインブルガリアトルコ韓国エジプト 

ソ連/ロシアラーダVAZ-2104ステーションワゴンが最終モデルらしい。

あれこれを全部足すと、生産台数はフォードT型を抜いて単独2位

都市伝説だが…

フィアット社がイタリア共産党仲介ソ連ライセンス契約を結んだときソ連産の鉄鋼をイタリアに安く輸入できる契約も同時に結ばれた。 その鉄の質が悪かったため、イタ車は錆びるようになった…

日産ツル 3代目 Nissan Tsuru 1984~2017  300万台以上

メキシコでは、ビートルを継ぐ「国民車」になってしまった模様

正体は7代目サニー(B13)

FF化された5代目サニーメキシコ工場で作ったのが初代ツル。 3代目までは普通にモデルチェンジされてきた。

しかし8代目サニー北米と同じセントラ(Nissan Sentra)を名乗り、4代目ツルにはならなかった。

惜しくも選外

ミニ 1959~2000  530万台以上

2階建てパワートレインラバーコーンサスペンション10インチタイヤは、「スタンダード」とはちょっとちがうのでわ

ルノー 4(キャトル) 1961~1994  800万台以上

プジョー206に抜かれるまでフランス最多生産車。

5ドア、つまり2ボックスハッチバック定番化させた。

プジョー 405  1987~2024  500万台以上

イラン最近まで生産されていたが、昨今の経済制裁の影響で終了した模様(フランスWikipedia情報

プジョー 206  1998~2013  1200万台以上

フランス車史上最も多く生産された

その他の候補

2CVシトロエン・トラクシオンアバンの廉価バージョン

ポルシェビートルスポーツカーバージョン

DS1962年ド・ゴール大統領を救ったエピソードが好き。

トラバント 1957~1990 カルチャーショック

国民車」の実態

ドアが4枚ある車の最大の顧客タクシー業界

インドアンバサダーメキシコのツルは、ほぼタクシー専用車。

都市のなかを目立つ塗装で走り回る姿を日常的に見ることになるので、自国生産されていることもあってこその「国民車」扱い。

モータリゼーションを支えた「自家用車からコスト最優先の「はたらく車」に役割が変わってきてる。

2024-09-04

自動車キャンバーは何のためにあるのか

ヤンキーVIP車のハの字のタイヤ(鬼キャン)のエントリがバズっていたので尻馬に乗って軽く書いてみる。

多くの人は車のタイヤは全部直立してると思ってるだろうが違うのだ。

そもそもなんでキャンバーが必要かという事が判らないと、ハの字にするのがカッコ良いとう文脈が出来たって事が判らない。ヤンキー文化というのは大抵、カッコいいの特徴を極端にし過ぎて独自文脈に至っているというのが多い。

『「タイヤがハの字」のクルマ、たまに見かけるけど何のため?→専門家解説が的確すぎた!』

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/diamond.jp/articles/-/349720

4輪は真っ直ぐ直立していない

まず、多くの人が抱いている直立タイヤを模式化する為にペン小皿を用意して欲しい。ペンを直立に立てて小皿ペンにくっ付けて立たせる。ここの小皿タイヤペンハンドルを切った時にタイヤが向きを変える軸だ。

ペンを動かさずに小皿を動かしてみると、小皿はその場で向きを変えるんじゃなくてペンの周りをグルっと回るような動きをする事が判る。

これが自動車だとこの小皿タイヤには車重が掛かっているのだ。数百キロの重さが掛かっているタイヤ2本をこうやって位置を動かす、しかも腕の力で、というのははっきり言ってチャックノリス以外は無理である。だからこの構造だと停止状態ハンドルを切るという事が出来ない。更にブレーキを踏んでいたらタイヤの動きがロックされるので物理的に無理となる。

 

初期の自動車もこの問題に直面した。その為、18世紀フランスで造られた蒸気自動車google:image:Cugnot Fardier19世紀ベンツ初の車、モトルヴァゲンgoogle:image:Benz Patent-Motorwagenも前1輪の三輪車だった。

 

キャンバーは据切りを楽にした

でも3輪だと安定性と積載性に難がある。そこで4輪、つまり前の舵輪が2輪で運転に難が出ない仕組みが試行錯誤され、こういう風になった。

1.タイヤの向きを変える為の軸(キングピンという)をハの字に傾斜させる

2.そしてタイヤ自体は逆ハの字に傾斜させる(キャンバー)

 こうすると、キングピンの旋回軸を延長して地面にぶつかるところとタイヤが設置する場所を一致させることが出来る。つまりハンドルを回してもタイヤは接地面を移動させずに向きを変えるだけなので、停止状態でもハンドルが切れるのだ。

剥き身になってる車では見やすいのでこれを見て欲しい。https://youtu.be/13WS1UpG38I?si=46LZ8ChZ6ftGXrZ9&t=180

3:00の辺りから前輪の内側が見えるが、スポークホイールの内側にブレーキドラムがあってその内側にキングピンが見えるが、キングピンは傾いている。またタイヤも逆ハの字に少し傾いていて、キングピンの軸の延長をタイヤの接地面が一致しているのが判るだろうか?

 

しかしこれだと問題も発生する。例えば右に傾いた円盤を転がすとどうなるだろうか?右にどんどん曲がっていくよね。だから逆ハの字に傾いたタイヤは走り出すとずっと右のタイヤは右に曲がろうとし、左のタイヤは左にっ…て状態になってて、無理にねじ伏せて走る事になる。タイヤゴムはずっと「消しゴム掛けてる」状態になってるから直ぐに減ってしまうし燃費だって悪くなる。

そこでこうする。

3.上から見て前側が狭くなるようにタイヤの向きを変える

 右のタイヤは右に行こうとするので左向きにする。すると右に行くのと左に行くのが釣り合って直進するのである

タイヤはその逆に。

なんだが無茶苦茶で無理させてるように見えるが、実際にはちゃんと安定する。そしてこのタイヤの整列状態戦前から1970年頃までの標準となった。

この為に逆のハの字が標準状態なので逆ハの字がポジティブキャンバーと言われる。上から見て前側を狭めるのはトゥインという。トゥはつま先で、つま先をすぼめた内股で立ってるイメージだ。ポジキャン+トゥインが70年頃までの標準ね。 

だが逆ハの字の車というのは今は見ないだろう。それは駆逐されてしまたかなのだ

 

逆ハの字=ポジキャンの難点

逆ハの字であるポジキャンには難点もあった。

まずレースなどのスポーツ走行カーブでは外側のタイヤが踏ん張るのだが、車体が遠心力で外側に傾く(ロール)。するとタイヤも一緒に傾くので、逆ハの字が強くなってしまう。この状態だと踏ん張りがきかないというのは判ると思う。

だったらレースカーは駐車場の据切りとか考えなくていいのだから最初からハの字(ネガディブキャンバー)にしておけばロールした時に直立状態になるからカーブを速く走れる。

という事でレースカー=ハの字となり、つまりネガキャンは速さの象徴となったのであった。

 

特に1970年代まで多く使われていたタイヤは今のもの構造が違う。今使われているタイヤラジアルタイヤといって、空気を入れる前も入れた後もタイヤの形が同じになるように構造がしっかりしている。更に接地面は平らになる様に鉄のワイヤを編んだベルトが入っていて、空気圧の多寡で形が変わらないようになっている。

だが70年代までのタイヤバイアスタイヤといって、形が変化するように柔軟な構造になっていた。自転車タイヤと同じである空気を入れるとトレッド面(地面に当たる外周部分)も丸っこく変形する。だが接地面は車の重みで凹むので、これが接地面積になるという構造だった。

こういうヤワ構造タイヤではタイヤが突っかい棒の方向に向いていれば踏ん張れるが、逆向きだとヨレてしまって全然踏ん張れない。

 

更にポジキャンが車界から駆逐されてしまったもう一つの理由FF化だ。

FFは前輪を駆動する方式の事だが、初期のFF車には重大な欠陥があるものも多かった。

歩くほどの一定速度でアクセルを踏まずにハンドルを切ってぐるぐる回ると、前輪の向きと前輪が通るルートは一致している。だが速度を上げていくとタイヤゴムなので外側にジリジリと滑りながら曲がるようになる。

ここでタイヤが大幅にスリップせずに路面とハンドル追従するのは接地面のグリップ力によっている。このグリップ力を超えると滑りが大きくなってスピンや外側の壁にぶつかってしまうわけだ。

前輪駆動では駆動力が前輪にかかるが、グリップ力はカーブで踏ん張る力と駆動力で折半しているのだ。

これがどういう事かというと、首都高の急カーブハンドルを切っているのにちゃんと曲がらず、外側に膨らんでしまうという時、グリップ力の限界付近になっている。

ここで慌ててアクセルを戻すと、駆動力分に割り振られていたグリップ力が全部カーブ踏ん張り力にやってくる。するとハンドルが効きすぎて急旋回し内側の壁に突っ込んでしまう。曲がらないからとハンドルの切り増ししていたら最悪だ。

から首都高カーブでの事故というのは、外側の壁にぶつかるよりも内側にぶつかる方が圧倒的に多い。

逆ハの字のポジキャンではこの挙動が起きやすくなってしまう。因みに初期FF車でこの特性が強く出て問題視された車にはgoogle:image:ホンダ1300セダンなどがある。ホンダ1300は後から2ドアクーペが出るのだが、クーペの方が穏やかでセダンの方がじゃじゃ馬という不思議な車だ。

 

また車の駆動力は内側から伸びるドライブシャフトで伝達されるわけだが、この時、力を受ける軸の方に曲がろうとする特性がある。つまり両輪とも上から見て内側に向こうとしてる訳で、これはトゥインと同じ状態だ。これをこのままにしていると加速の度にタイヤが減ってしまうしハンドルも安定しない。

だったらFFではトゥアウトにしておけばいい。トゥインと逆にガニ股につま先を開いた状態だ。

トゥアウトにしたら加速していない時に備えて、キャンバーをハの字にして辻褄を合せなきゃならない。

 

という事で、FF車や4WD殆どとなった現在、逆ハの字のポジティブキャンバーは見なくなってしまった。一番最後ポジキャン車は恐らく1990年終売のシトロエン2CVかと思われる。google:image::Citroen 2CV

スペアタイヤにご用心

市販車ネガキャン可能になったもう一つの理由ホイール形状の変化だ。

昔はスポークホイールだったが、今は鉄のプレスホイールアルミ鋳造ホイールが多い。ホイールディスク面を外側にずらす事(オフセット)で内側に空間生まれる。更にタイヤホイールも太いものが主流になっている。

するとステアリングの旋回軸の先をホイール内に入れてしまう事が可能だ。するとこの旋回軸の延長にタイヤ接地面を持ってきて更に緩いハの字にする事が出来るようになった。

 

ところで、この10年ほどで省略される事が多くなったが、その前は黄色く細いスペアタイヤテンパータイヤ)を積んでいるのが一般的だった。

このテンパータイヤは実はバイアスタイヤなのである

そもそも細いので接地面の位置が合わなくてチグハグ状態になる。その上で、上記バイアスタイヤが抱える問題を抱えていて、FFフロントに付けた場合上記危険特性を呼び出してしま可能性があるのだ。

なので、FFフロントパンクたからとそのまま黄色スペアを前に付けると危ないのだ。更にそれで高速に乗っちゃったりというのはもう自殺行為しかない。だから黄色いスぺアには「FF車の前輪には絶対につけるな」と書いてある。

 

法規制車検通るの?)

では鬼キャンヤンキー車は違法なのかどうかについて。

 

まず、道路走行する車の規制法は二つあって、役所も二つある事を踏まえよう。

規制法は、車両法と道交法規制役所警察国交省運輸局)だ。

で、警察道交法車両法を扱い、国交省運輸局車両法だけを扱う。

 

車両法の政令は「道路運送車両の保安基準」、略称保安基準と言って、具体的にどの部品はどういう風でなきゃいけないかという事が書かれている。改造する場合や荷台などを付ける場合はこれを参考して判断する。

保安基準ではタイヤは車体からはみ出して露出してはいけない。これは元は水はねを予防するための基準だった。

だがこれは違う意味大事規制になっている。それは歩行者との接触時にタイヤ周りの回転物を接触させない為だ。ボディに接触したのとタイヤホイールナットなどに接触したのでは受傷程度が全然違うのだ。タイヤへの接触では巻き込んで踏んでしま可能性が高くなるし、ホイルナットなどに接触すると抉るような力が人体に掛かって重篤傷害を負わせてしまう。

ネガキャンめくらいだと上の方はタイヤハウスに収まっているし、張り出した下側もボディ外寸内に収まる。故に警察検挙されるという事もない。

しかし鬼キャンともなると、明らかに下側が出過ぎているし、ボディ外寸を超える。だから警察検挙されうる。

 

では車検は?というとこれは多分ネガキャン強めでも鬼キャンでも通らないはずだ。

というのも、車検では「サイドスリップテスト」というのがある。上記説明した、タイヤに無理な力が掛かっていないか、トゥインとキャンバーの組み合わせが釣り合っているかテストだ。

具体的には横にスライドする鉄板の上をゆっくり通過する。釣り合っていなければ鉄板が横に動くので「サイドスリップ ×」と電光掲示板に表示されて車検落ちだ。

キャンバーいじってあるとここで落ちてしまうので車検は通らないという事になる。

このサイドスリップ改造車じゃなくても駐車場で縁石にぶつけた、サスペンションゴムブッシュが経年でヘタっている、とかでもタイヤの整列が狂って落ちてしまう事が多い。

 

だが警察はこのサイドスリップテスターを持っていないのだ。そこまで厳密な検査車両違反摘発するという運用になっていない。だからサイドスリップでは車検には通らないが、警察には検挙されないという状態である

 

ヤンキー逃走論

というわけで、ハの字のネガキャンレースなどの速さの象徴が過剰化し実用範囲を飛び出して、速く走れなくなったというヤンキー文化ありがちな代物である

だが昔は逆ハの字のポジキャンが車の当たり前であって、その中でハの字のネガキャンにするというのはレーサー標榜の不良であった。

しかエンジンの高出力化、車重の増加により太いタイヤが主流となってネガキャンの方が都合が良くなった上に、FFの主流化によってトウアウトにする必要からネガキャン必須となった。

故に今は嘗ての不良の象徴だったネガキャンしか世に無くなった。そうなると不良性を売り物やファッションアイデンティティとする者にとっては、実用性ブッパする程の鬼キャンにするしかアピールする方法が無くなったとも言えるのである

から「なんであんな異常なキャンバー角付けるの?」と問われたら「”世間側”の全てが不良側に寄って行ったからその先に逃げるしかなかった」というのが一つの答えになるのだ。

2014-02-11

http://anond.hatelabo.jp/20140211154654

まり関係ないが

メルセデス→「メルツェデス」

ジャガー→「ジャグァー」

シトロエン→「シトローエン

2CV→「ドゥシヴォ」

ツインカム→「ツウィンカム

・セーター→「スウェーター」

かいう特大痔とかいう人を思い出した

 
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