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米PGP社のフィリップ・ダンケルベルガーCEO |
企業のデータセキュリティー、および暗号化ソリューションで知られる日本PGP(株)は13日、同社の日本市場向けのソリューション製品の新ラインナップを発表した(参考記事)。
発表会では、米PGP社のフィリップ・ダンケルベルガーCEOが、「1種類のOSだけで統一されたシングルベンダー環境でしか通用しないセキュリティーソリューションでは、本当のセキュリティーとは言えない」と、Macサポートの重要性を説明した。
また、Windows版、およびMac版PGPの新たに日本語化されたインターフェースを公開したほか、WindowsマシンとMacの間で公開鍵を交換して暗号化された電子メールの送受信を行えることや、暗号化したUSBメモリーを使ってデータを共有できる様子がデモされた。
一般的な電子メールは、テキスト情報がテキストそのままの形でインターネット上を流れるため、簡単に覗き見ることが可能だ。PGPを使って暗号化すれば、意図した受信者以外がそのメールを拾っても中身を読めない。また、暗号化メールを活用すれば、なりすましによる詐欺なども防止できるだろう。
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電子メールやインスタントメッセンジャーの通信内容を暗号化する“PGPメッセージング”機能 |
ダンケルベルガー氏は、企業にとって情報漏洩によって被るダメージは年々大きくなると指摘。いくらファイアーウォールなどを設置しても、ファイアーウォール内にアクセスできる従業員や取引先などから情報が漏れることもあって万全な策とは言えず、それよりは、そもそものデータを暗号化した方が安全だとコメントした。
今回、発表された製品の中でMac版は、電子メールやインスタントメッセージの暗号化を行なう『PGP Desktop Email 9.5』と、PGP Desktop Emailの機能に加えてディスク暗号化も可能な『PGP Desktop Professional 9.5』の2つだ。
PGP Desktop Professional 9.5では、使用容量に合わせて自動的にディスク領域が拡張する“自己拡張PGP仮想ディスク”、ディスク全体もしくはパーティションを対象とした暗号化などが利用可能だ(ただし、Macのブートドライブはディスク全体を暗号化できない)。
対応OSはともにMac OS X 10.4以上で、ソフトがUniversalアプリケーション化されている。PGP Desktop Email 9.5がサポートするMac用メールソフトは、アップル純正Mail 2.1以上とMozilla Thunderbird 1.5以上。メッセンジャーソフトは、iChat 2.1以上とAOL Instant Messenger 4.7以上。
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ディスク全体を暗号化する際に現れるパスフレーズの作成画面 |
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Windows版『PGP Desktop Professional 9.5』の画面 | ネットワーク上の共有フォルダーに保存されるファイルを自動で暗号化するソフト『PGP NetShare』も発表された(Windows版のみ) |
フリーウェアとして始まったPGP 1.0から数えて今年で15年。今日、米国では“Fortune 100”に含まれる企業の94%が同社の暗号化技術を採用しているという。
日本でも金融系、技術系、製造系、薬品系の企業を中心に400社以上が同社の製品を採用しているが、ダンケルベルガーCEOは同社の「日本での成長度はまだまだ不十分」と語る。
同氏は、2005年から活発な動きがある個人情報保護法(PIPA)、2007年から施行される日本版SOX法、度重なる情報漏洩問題のニュースといった社会風潮を受けて、今後、日本でのPGPの利用がますます広まることを期待しているようだ。
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セキュリティーに関連する国際的な動き |
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