残念なことだが、昔から米国は常に日本の1年くらい先のITトレンドを作っている。そんな米国で、Android搭載ケータイの2010年第3四半期出荷台数がiPhone(iOSデバイス)の2倍程度となった(英調査会社Canalysの発表による)。現在の米国市場では、“北米伝統標準ガラケー”の「BlackBerry」(24.2%)と、ジョブズ様標準の「iPhone」(26.2%)、無国籍軍のハチャメチャUIの「Android」(43.6%)が三つ巴の戦いを展開しているという。
四半世紀前のパソコン市場では、アップル、IBM-PC/AT互換機、その他のパソコンが群雄割拠していた。そして最終的には、オープンなアーキテクチャーで、生みの親のIBMでさえすべてを掌握できなくなったIBM-PC/AT互換機がアジア圏で大量生産され、その圧倒的なコストパフォーマンスと、ソフトウェアや周辺機器のラインアップから、自由世界の大勢となった。
単純な筆者は、「歴史は繰り返す」ということで、オープンなアーキテクチャーをうたうAndroidケータイが確実に世界のケータイ市場を押さえるだろうと考えている。まあ、3年もしないうちに明らかな結果の出る話だ。そんなAndroidケータイが、ガラケーとiPhone一色だった日本国内でも、昨今にわかに元気になり出した。
Android2.2.1搭載ケータイ「IDEOS」
すでに多くのAndroidケータイのユーザーでもある筆者が、年の瀬も押し迫った昨年12月末にゲットしたAndroidケータイは、ハードウェアスペック以外にも目新しい特徴が盛りだくさんの商品だ。
多くの国内ケータイ電話は、メーカーが企画・開発・製造したケータイをキャリアが一括して買い上げ、顧客に割賦販売しているのがほとんどだ。
これに対して日本通信(b-mobile)は、中国企業Huawei(ファーウェイ)製スマートフォン「IDEOS」を輸入し、「技適」(技術基準適合証明)を取得するとともに自社プリペイドSIMカードをバンドルして、国内で販売している(ファーウェイ・ジャパン自体は、日本でのIDEOS出荷予定はないとしている)。
これは、“安くて速いIBM-PC/AT互換機”を台湾から輸入して、OSをバンドルして販売するという、“世界標準の秋葉原ビジネスモデル”とまったく同じだ。
筆者のIDEOSは、師走の28日にデリバリーされた。コンパクトなIDEOS本体と、b-mobileのデータ通信SIMカード「b-mobileSIM U300」(10日間定額データ通信付き)が同梱されたモノだ。面倒な身分証明を必要とするケータイ購入手続きなしに、同社オンラインショッピングサイト「b-MARKET」やアマゾンなどで即刻購入できる。
パッケージを開くと、IDEO本体、充電池、ACアダプター、各種ケーブル類、イヤホン、カラフルな背面カバーが4種類、そして平易な日本語解説書が複数枚入っている。b-mobileのSIMを挿入し、同梱のリチウム充電池を装着、気に入った色の背面カバーを取り付ければ完成だ。あとは電源を入れて、アクセスポイントの設定、Googleのアカウント設定を行なえば、Androidケータイとして通信環境で活用できる。
また筆者は、Androidアプリのライブラリー「マーケット」に接続し、仮名漢字変換環境として一般的な「Simeji」を導入した。これだけの事前準備で、Googleのクラウドに存在する筆者の連絡先やGmail、Googleカレンダーなどの内容がすべてIDEOSとSyncされ、使用環境の構築が完結した。
b-mobile「IDEOS(10日間定額データ通信つき)」(BM-SWU300)仕様 | |
---|---|
直販価格 (b-MARKET) |
2万6800円 |
OS | Android OS 2.2.1 |
ディスプレイ (解像度) | 2.8型TFT液晶(320×240ドット QVGA)、マルチタッチ非対応 |
カメラ画素数 | 320万画素 |
インターフェース | MicroUSB、microSD/SDHCカードスロット(最大32GB)、Bluetooth 2.1+EDR |
Wi-Fi機能 | IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN |
Wi-Fiテザリング機能 | IEEE 802.11b/g対応、セキュリティ:WPA2 PSK |
最大通信速度 (上り/下り) | 7.2Mbps(下り)/384kbps(上り)、b-mobileSIM U300使用時にはベストエフォート上下300kbps |
待ち受け時間 | 約230時間 |
連続3Gデータ通信時間 | 約4時間 |
連続Wi-Fiテザリング 利用時間 | 約4時間 |
バッテリー | 1200mAh(3.7V)リチウムイオン電池 |
サイズ/重量 | 幅54.8×高さ104×奥行き13.5mm/約100g(リチウムイオン電池装着時) |
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
(次ページへ続く)
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