ASCII.jpでは9月1日(木)午後7時から、Ustream生放送で「究極対決 VAIO Z vs. MacBook Air」を放送する。ソニーから登場した究極モバイル「VAIO Z」と、Appleらしく極限まで無駄を省いた「MacBook Air」。今年、ほぼ同じ時期に登場した2つの究極モバイルノート、どっちを買うかについて、ASCII.jpで活躍する論客同士が火花を散らす対決をライブでお見せしようという番組だ。
その前に登壇者に集まってもらい、事前に手の内をチラ見せしつつ相手の腹を探る座談会、いわば前哨戦の場を設けたので、そのときの様子をご覧いただこう。
さらに、現在読者アンケートも実施中(9月1日のUstream放送開始直前まで募集!)。自分ならVAIO Zを買う、いやいや買うならMacBook Air一択だろ! そんな熱いご意見をぜひお寄せいただきたい。届いたご意見はUstream生放送のなかでも紹介していくので、相手陣営を完全に沈黙させるようなキツ~イ一発を、ぜひ編集部まで!
いまや内蔵光学ドライブは不要?
── 結局いま買いのノートってどれなんだよ! ってことで、Windows/Macの両陣営から、注目機種2モデルを選びました。ソニーの「VAIO Z」とAppleの「MacBook Air」です。どっちがいいのさというのを皆さんに議論してもらおうと思うのですが、ここはその前哨戦っていう感じで、それぞれいいところ/悪いところを出し合ってもらおうと思います。お酒は出しませんが無礼講というか、ののしり合ってもいいですよ。
広田 無礼講って(笑)
後藤 というかスペック面で「VAIO Z」に足りないものって現状ないと思うよ。フルフルにカスタマイズすれば、並みのデスクトップ以上の仕様になる。なおかつ持ち歩ける。1台で完結する隙のないマシン。しかも10時間駆動。正直死角なしでしょう。
広田 縦置きのドックでしたっけ。あれちょっとズルくないですか? 確かに機能はフルスペックかもしれないけど、あれを持ち運ぶ人いないでしょ! 結局、自分の机の上でしか使えないんじゃデスクトップ並みというか、デスクトップと大して変わらんというか……。
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Ustream対談の登壇者、ライターの後藤宏氏
後藤 「Power Media Dock」ね。……まああれ、なんで本体自身が立たないんだっていうツッコミどころはあるけどね。でもこれはいいものです。GPUまで外付けできる。Macにそんな機種ないでしょう。
広田 う~ん、シンプルが身上のMacユーザーとしてはですね。(開閉式のEthernet端子を指差して)ここまでして搭載する必要あんの? と思わなくはないですが。
後藤 そこがいかにもソニーっぽいところなのに。
広田 フルスペックって言うけど、つまり余分なものとか付いてるんじゃ! 割り切れないところが日本企業っぽいというか。バッサリ切り捨てるのがアップル流、いやジョブズの精神なのですよっ!
後藤 というか、アップルって見切り付けるのが早すぎ。それで泣いた人も多いでしょ? 例えば「Classic」とかも急に搭載されなくなって、Mac OS 9のアプリ使いたい人はどうすればいいんだって問題になったじゃない。
広田 古いものにこだわっていたら進歩はないのです(キリッ!)
後藤 「ゴメンね!」じゃ、済まされないでしょ。
── じゃあ、MacBook Airの良さって何ですかね。
広田 値段の安さ!
後藤 え、そっから来るの。。
広田 この質感とデザインで、この値段は普通あり得ないでしょ。ねえMacPeople編集長の吉田さん。
後藤 (ずるい、援軍呼んだな……)
吉田 だよな。デスクトップ並みって言うけど、デスクトップパソコンって売れてないじゃん! そもそもAirのコンセプトはクラウドの活用。データは全部インターネットに上げちゃって、ハードはそれを活用できればいい。その代わり、9万円切ってて薄くて軽い。アップルの新機軸って感じだな。
広田 Lionの使いやすさという意味では、大きな画面よりもMacBook Airのほうが使いやすい。吉田さんも「フルスクリーンはこれ(Air)じゃないと間延びして使いづらい」って言ってましたよね。
後藤 クラウド~~と来ましたね。でもそういう使い方なら、タブレットでもいいんじゃないのとか最近思っちゃいますね。そもそもiPadと立ち位置が被ってないですか。
吉田 Airにはキーボードがある。だからiPadよりも売れている。それでいいじゃん。
後藤 あまりにもクラウドに振りすぎてて、パソコンならではの汎用性とかノートならではの良さが生きてない気もしませんか?
広田 そういう人には「MacBook Pro 15インチ」ですよ!
吉田 どうかなぁ(苦笑)。これを使ってる人はダメだと思うよ。Airはある程度割り切りが必要。ていうか、広田君みたいな割り切れない人の代表のために、あえて残されているのがこのラインってことだろう。
広田 ひどいっ! ていうか体鍛えられていいんですよ、こっちのほうが。
後藤 スゴイ理由ですね。
吉田 これまでのアップルはかたくなに光学式ドライブを内蔵してきたけど、Airでなくした。アプリもApple Storeでダウンロード販売してる。音楽や動画もiTunes Storeで買える。つまり、そういう使い方してよっていうアップルのメッセージがAirには込められてんだよ。
広田 iCloudと一緒に使うことでAirの持ち味が出てくるというのはその通りだけど、それは自分をアップデートできる人のためのもの。できない人のための選択肢も必要なんです。人間、古いものも簡単には捨てられないというか。
吉田 ……君は本当にダメだなぁ。
後藤 (……なんか仲間割れしてないか)
── Apple好き代表の吉田編集長から見たVAIO Zってどうですか?
吉田 う~ん、そうだなぁ。SSDって基板上のものを使ってるんだよね。ここがソニーの分からないところなんだけど、ストレージすら交換させないなら底面はスッキリ1枚板にしちゃえばいい。どうせ1年もしたらパソコンなんて壊れるもんなんだからさ。Airみたいにすればいいのに。
後藤 ていうか、1年で壊れる国産のWindowsマシンなんてありませんよ。VAIOにしたってMacより丈夫なんじゃないかな。
広田 どうでもいいけど、Macユーザーから見ると、OSやCPUのシールがてんこ盛りっていうのも美的感覚を疑う部分があったりする。
後藤 そこは大人の事情が色々あるから、突っ込まないで。
吉田 でもさ、(いまさらだけど)AirとVAIO Zってちょっとコンセプトが違いすぎるというか、単純に比べるのはちょっと酷だよね。値段も違うし、厚さだって……。でもまあ、このLight PeakというかThunderboltをちゃんと取り入れてるのは(誰が使うんだ? という疑問もあるけど)偉いよね。マニア心をくすぐる。
広田 全部入りの最強指向は、ジョブズが来る前の90年代のアップルだってやってたじゃないですかっ。
吉田 あー、「スパルタカス」とか思い出すね。ジョブズがいなくなったら、そのあたりの姿勢もブレてくるかもね。
後藤 そういえばジョブズ(CEOを)引退したよね。
吉田 それはともかく、VAIO Zには持ってて嬉しいというか「気持ちよさ」みたいなものもあるのかもしれないね。所有欲を満たすというか。さらにDockを買えばパワーアップできるかも、というワクワク感も味わえる。それだけでもいいっていうマニアもいるかもね。
広田 あなたはAir派じゃなかったんですかっ!
吉田 アップルが好きなやつには、ソニー好きなやつも多いからさ。
後藤 (アップルユーザーも一枚岩ではないのだな……)今回の対決にはWindows対Macみたいな部分もありますけど、メーカーの性格だけ見ると、確かに似てるところありますよね。白状すると、僕もAirのデザインは好きなんですけどね。
── あーあ、お互い褒め合っちゃったよ。
広田 そういう流れにしましょうよ。
吉田 見てる読者が気持ち悪がるだろう!
後藤 でも、僕にとってAirには使い出がないってのは、揺るがないですから。
── ここで17インチのMacBook Proを使っている俺の意見を聞け! でかいけど、何でもできるから結果的にこれが一番便利。解像度が低いマシンで一生懸命仕事している人の気持ちが、正直分からない。
後藤 確かにずっと持ち歩いてますね、17インチ。腰抜けないですか?
── ほっとけ。
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