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シンプルな道具を使った
取り回し方を提案します
筆者の仕事はマジシャン。そんな仕事のせいなのか、「物を隠すのが得意でしょ」とよく言われます。
我が家では「PCケーブルの乱れは心の乱れ」がモットーです。マジシャンでなくても、ケーブル類は、できる限り「足を引っかけないように」「スッキリと見た目よくまとめる」ことができれば、いろいろなトラブルが避けられるはず。
ケーブルを取り回す用のグッズも販売されていますが、今回はシンプルな道具を使ったワンランク上のケーブル取り回し術を紹介していきます。
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整理前のケーブル。まさに絡んだスパゲッティみたい
ケーブル整頓に必要なもの
今回、用意したものは、下の写真の左から、インシュロック(結束バンド)、コイルチューブ(太、細)、フロアコードカバー(写真上)、プラスチック用ニッパー(写真右下)です。
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ニッパーはプラモデル用が安くて取り回しもいい
つまづきそうな床のケーブルには
フロアコードカバー
まず最初は、床を這うケーブルから整理していきます。
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通路に這うケーブルは足にひっかけやすい
今回、使ったのはアルミ製のフロアコードカバー。重さと強度があり、両面テープなどで貼り付けなくても動きにくく、踏んでも壊れません。
もし、カバーが動くのが気になる場合は、カバーの底面に両面テープではなく、滑り止めシートなどを貼り付けます。そうすれば、ケーブルを入れ替えるときに床面を傷めません。
このカバーは、Amazon.co.jpで「マサル ガードマン2 1m」を1618円で購入しました。
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カバーの底は樹脂製。アルミ製のカバーを上からパチンと閉めることができる
ケーブルはまとめて
コイルチューブで束ねる
コードを束ねるときは、コイルチューブを使います。ただし、大電流が流れる電源ケーブル、充電用ケーブルは、発熱やノイズの原因になることがあるので、それらには使っていません。
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コイルチューブで、通信ケーブルなどをクルクルと巻きつけてまとめていく
コイルケーブルは密に巻くのではなく、らせん状の隙間が空くように巻くと、ケーブルが発熱しづらいのでおすすめです。まとめるケーブルの数、太さにあわせ、コイルケーブルも太いタイプと細いタイプを用意しておくと作業がはかどります。
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整理後のケーブル。これなら掃除機もかけやすい
ケーブルをまとめてノイズが乗る場合は
フェライトコアを使う
オーディオラインなどがある場合、ケーブルをまとめたり、近くにUSBケーブルなどがあったりすると、音声にノイズが発生する場合があります。そんなときは、「フェライトコア」をケーブルの途中に挟むと高周波ノイズが軽減されると言われています。
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フェライトコアはこのように挟む
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二重巻きにすると高周波ノイズが改善する場合も
PCを机の下に吊った場合の
ケーブルの取り回し
床置きのPCのケーブルが整理できたら、次は机の下に吊ったケーブルを取り回します。
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床置きのPCのケーブル整理が終わっても、机の下はスパゲッティー状態
床上のPCと同じようにコイルチューブでまとめます。コイルチューブの良いところは、何度でもやり直しできるところ。まとめた後に、ノイズや発熱のチェックをすることも可能です。
さらに、長すぎる、短すぎるケーブルはピッタリサイズに買い換えると、取り回しがキレイに整頓できます。ケーブル類は消耗品なので、買い替えは惜しまずに。
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自宅のMac Studioは低電力モデルなので、試験的に電源コードもまとめてみた
ケーブルの取り回しが終わったあとは、しばらくPCを運用して、ケーブルの発熱やノイズなどが発生しないかをチェックします。
インシュロックのポイントは
キツく締めすぎないこと
次はケーブル類をテーブルの足などに留めていきます。その際のインシュロックを使う時のポイントは、次のとおりです。
◯ケーブルを留めるときは、すぐに最後まで締め付けない
◯締め付け加減を数回に分けると整って留められる
◯余分な部分はペンチなどを使わず、手で手前に引く力加減
◯余分な長さのケーブルには、大きなループで巻く
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インシュロックを締めるときは工具などを使わず、手前に引くと力がかけやすい
インシュロックはしっかりと固定できる反面、ケーブルを傷つけやすい。なので締め付けすぎないようにします。ループを小さくすると、ケーブルが断線しやすくなるだけでなく、ノイズが発生したり、発熱しやすくなったりするので注意が必要です。
一時的に使う電源は
別のタップを用意しておく
ケーブルが乱雑になってしまうのは、その場しのぎにコードをつないでしまうから。なので、一時的な機器用のタップを用意しておくと、ケーブル類が乱雑になりにくく便利です。
このテーブルタップには、マウスやキーボード用の電池やビデオカメラの充電器、卓上で使う工具などを繋いでいます。
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あくまで一時的に使うタップは別に用意したい
実は、この連載、今回が最終回です。調べてみると、なんと12年も連載していただきました。
こんなとき、筆者が必ず思い出すのが、細川ガラシャの辞世の句。
「ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」
『花は散るから、いいんだよね』(←超意訳)
連載をご覧いただいた読者の皆さま、アスキー編集部の皆さまに感謝しております。とはいっても、筆者がいなくなるわけではないので、どこかで皆さまと再会できるのが楽しみです。またねー!
前田知洋(まえだ ともひろ)
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東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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