アートと福祉。この組み合わせ、社会に広がっている印象があります。ただ、どんな風景が現場に広がっているのか想像できませんでした。 高齢者福祉施設「デイサービス楽らく」では、美術・音楽・演劇・ダンス等の活動をしているアーティストたちが、専用の個室に滞在。作品制作などを通して文化的な交流を重ねるプロジェクトに取り組んでいます。 施設長の武田奈都子さんに、どんなことが起きているのか教えていただきました。 「たとえば、幻視だったり、幻聴だったりが現れる場合もあるんです。そういうとき『それはいないよ』とするのではなくて。一旦そこに乗っちゃう。そっか、そっか。見えているんだなって。実際には見えているんですよ」 「認知症のある方は、絵を描くと、一色だけで表現されたりすることもあって。家族はそれを見てギョッとする。『どうしたの? 葉っぱは緑ですよ』って、緑の色鉛筆を渡してしまう。でも、何か違うよ、と言われる
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