なぜいじめはなくならないのか。児童精神科医・佐々木正美さんは「友達をいじめる子というのは、うんと小さいときに親と喜びを分かち合うことがなかった、あるいはとても少なかったケースがほとんどだ」という。著書『子育てのきほん 新装版』(ポプラ社)より、一部を紹介する――。(第1回/全2回) 「子どもが喜ぶことだけをしてあげる」重要性 お母さんがたに「赤ちゃんをどう育てればいいのでしょう」「なにをしてあげれば一番いいのでしょう」ときかれるとき、私はいつもこう答えています。 「お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげてください」 単純なことだと思いませんか? けれど、多くのお母さんは「喜ぶことばかりをしてはいけないのではないか」というふうにお考えになるようです。 けれどそれは違います。「子どもの喜ぶことをしてあげること」とは、その子がやがて社会のなかで生きていくうえで一番必要な「社会性」の土台をつくるこ
