工場閉鎖で得られるコストダウン効果はそれほど大きくないが、社内外に危機感を示す効果がある。今後、ゴーン氏が取引先を1145社から600社に減らしたようなリストラも必要になる。下請け部品メーカーはさらに厳しい経営状況になるのだから、日産が自ら身を切る覚悟を示さなければならない」 驚くことにこの元役員はこんな指摘もする。「今の日産は部品をわざと高く購入している。下請けから高い見積もり価格を出させておいて、いざコストカットしたときの値下げ幅を大きくするためです。そうやって購買部門の手柄にしている」 果たして本当にそんなことがあるのか。別の元役員に確認すると、そうした実態を認めた。日産とホンダ両社と取引がある部品メーカー幹部も「同じような部品を日産の方が高く買っている」と証言する。 「外国人から要求されると、丸呑みしてしまう」 さらに、その元役員はこう言い放った。 「こうした緩い仕事をして出世した
