FWとして鳴らした小学生時代。身体能力を活かしてゴールを量産した。写真提供:倉持行一(マイティー・スポーツクラブ代表) 画像を見る 東京五輪で悲願の金メダル獲得を期す、選ばれし22人。全世界注目の戦いに挑んでいる彼らは、この大舞台に辿り着くまでどんなキャリアを歩んできたのか。 オーバーエイジとして頼もしい活躍を見せる酒井宏樹。常に謙虚で、誰に対しても優しい性格のSBだが、幼少期には時として、それが弱々しくも映った。しかし酒井はいまや、ひと度ピッチに立てば、闘志を剥き出しにして勝利だけを追い求めるファイターと化す。その二重人格はいかにして形成されていったのか。 ―――◆―――◆――― 幼い頃の酒井宏樹は、活発なふたりの兄に比べると人見知りで、いつも母親の背中に隠れているような子だった。兄の影響でサッカーを始め、柏マイティーに入団したのが幼稚園年長の時だ。 生粋の“柏っ子”である宏樹は地元のJ
