豊臣秀吉と徳川家康・織田信雄(のぶかつ)連合軍による「小牧・長久手の戦い」について、尾張藩士が江戸中期に記したとみられる軍記「長久手記」が名古屋市内で見つかった。 折り本形式の全6巻で、登場人物が戦場で目印に使った馬印や肖像画も描かれているのが特徴。専門家は「『小牧・長久手の戦い』に関する最古級の軍記の写しで、家康が神格化される以前に合戦の実態を記述した可能性が高い」としている。 名古屋市の徳川美術館で23日〜9月18日に開催される「徳川家康 天下人への歩み」展で初公開される。 所蔵する名古屋市南区の理学博士、水野峰男さんによると、この軍記は約20年前に市内の古美術商宅で発見されたが埋もれていた。今年、別の古美術商を介して水野さんが購入し「戦国史の研究に役立ててほしい」と同館へ貸し出し、展示されることになった。 同館学芸員の薄田大輔さんによると、第6巻の奥書に元禄13(1700)年、尾張藩
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