金峯山寺から大量に出土した、建立当初の本堂「蔵王堂」にふいたとみられる平安時代後半の瓦=13日、奈良県吉野町 ユネスコの世界遺産に登録され、修験道の総本山として知られる奈良県吉野町の金峯山寺(きんぷせんじ)の蔵王堂(国宝)近くから、平安時代後半(11~12世紀)の瓦が大量に見つかり、県立橿原考古学研究所が13日、発表した。 焼失と再建が繰り返された蔵王堂の初代建物の瓦とみられ、12世紀前後の創建と推定してきた文献研究を裏付ける発掘成果。謎の多い修験道寺院の歴史を解明する上で貴重な資料になりそうだ。 調査は防災施設の改修工事に伴って行われ、瓦は蔵王堂西南側から100点以上出土。表面に、平安時代後半特有の製作技法を示す縄の痕跡が残っていた。 蔵王堂は、鎌倉時代の嘉禄元(1225)年の火災で焼失した記録があり、それ以前の創建は確実。平安時代の貴族の日記などによると、寛治6(1092)年の白河上皇