強気采配でドローをもぎ取る アジアの壁と呼ばれた現役時代の冷静沈着な姿と言葉そのままだった。6日のJ1昇格プレーオフ決勝でC大阪と1-1で引き分け、J1への切符を手にした福岡の井原正巳監督は高揚感をぐっと飲み込むような所作だった。 「こういう結果を得られて本当に良かった」日本代表史上に残る名センターバックとして、現役時代に活躍した井原監督は落ち着いた言葉でこう語った。 年間リーグ成績3位の福岡は、4位から進出したC大阪に対して引き分け以上でJ1昇格を勝ち取れる状況にあった。しかし、会場は中立地とはいえヤンマースタジアム長居。アウェーでの戦いを強いられる状況に直面した。 最初のアクシデントは前半に訪れた。チームの攻撃を支えてきたFW酒井宣福が24分で負傷。FW金森健志を投入していた。そして、後半15分には先制点を許してしまった。しかしここで、井原監督は素早く動いた。それまでFWウェリント