ロシア制裁には「抜け穴」がある。ロシアがウクライナに侵攻してから3年が経過した2025年2月24日時点で、西側諸国はロシア経済を締め付けるため、かつてない規模の経済制裁を展開してきた。米国は2022年3月にロシア産石油の輸入を全面禁止し、G7諸国も石油や天然ガスの取引に厳しい制限を設けた。しかし、ロシアは2024年だけで化石燃料輸出から2420億ユーロ(約2538億ドル)の収益を上げている。これは、戦争前の2021年の1991億ドルを大きく上回る数字だ。制裁が機能しているどころか、ロシア経済はむしろ潤っているように見える。ロシアに制裁を与えるはずなのに、そのガソリンや暖房が、知らず知らずのうちにプーチン政権の戦争を支えている。 この逆説的な状況の裏には、ロシア制裁の「抜け穴」が存在するからである。インド、トルコ、中国といった制裁に参加していない国々が、ロシア産原油を大量に購入し、それを精製