イギリス国内の大学は徐々に、そして確実に「企業化」への一途を辿っている。そこへ、ロンドン大学の生徒たちが家賃支払い拒否のキャンペーンを打ち出した。 「学生」と「貧乏」は切っても切れない関係にある。後に振り返れば、それがロマンチックでさえある。子どもでもなく大人でもない、微妙な状態にあるその時期、最後の500円を酒に使ってしまったりした経験は誰にでもある。冬に暖房がないのも苦にならない。タバコの吸い殻が溢れ、壁にはチェ・ゲバラのポスターが貼られた部屋で、布団3枚にくるまって暖をとるというのが、極上の思い出になるのだから----これが「大学に行きたい」と告げたときに今でも聞かれる旧世代の武勇伝だ。しかし残念ながら、現代の大学生が今の貧乏生活をロマンチックなものとして思い出すことはないだろう。なぜなら、「貧乏」の次元が違いすぎるからだ。6年前、大学の学費がそれまでの3倍となる9,000ポンドにま
