入り組んだ海岸線と緑深い山々に囲まれた三重県尾鷲市に隣接する紀北町。この町にある「大田賀山林」は、速水林業が所有する森林の1つである。適切な間伐や除伐がされたこの森林は、各地に広がる荒廃林とは対照的に、針葉樹の人工林とは思えない多様な植生が根づいている。 「林業とは光を管理すること」。林業の本質を速水亨代表はこう語る。速水林業は2000年に、国際的機関であるFSC(森林管理協議会)の認証を国内で初めて取得した。この大田賀山林には、そんな彼のノウハウや哲学のすべてが詰まっている。梅雨のさまかの6月27日。速水林業の森作りを感じるために、速水社長と山を歩いた。 雨上がりのひんやりと涼しい針葉樹林を歩き始める 日本一雨が多いと言われる三重県尾鷲市。その通り、大田賀山林に行く道中はバケツをひっくり返したような土砂降り。この雨の中で山を歩けるのかしら、と思っていたが、日頃の行いが良いのか、現地に着く
