銀河帝国興亡史(1)についての考察は興味深いものです。未来予測法である「心理歴史学」が実際に開発されるかは不明ですが、科学的な社会管理方法の必要性は明らかです。主観や偏見に基づく施策では、国民は困難を感じるでしょう。アシモフ自身も、「心理歴史学」というコンセプトに後年苦労していたとされます。もし彼がそれに満足していたなら、ファウンデーション・シリーズ全体で使用し続けていたはずです。人類を継続させるための社会管理方法として、クラークの「都市と星」のようなアプローチも考えられますが、それだけでは人類と社会の「継続と革新」のバランスが失われてしまいます。このバランスは社会のあらゆるレベルで必要です。そのために、第二ファウンデーションのような存在が必要になるのでしょう。私がこの書籍において特に興味を持ったのは「心理歴史学者」のアイデアでした。他の部分については触れません。ファウンデーションシリーズは、3部作全体で一つの大作と言えます。しかし、部分的に読むことも可能だと私は考えています。どの部分が面白いかは、他のレビューを参照してください。昔であれば立ち読みを勧めるところですが、今はkindleで一冊目を読んでみて判断することをお勧めします。これはかなり自由な意見かもしれませんね。
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ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 1984/4/1
アイザック アシモフ
(著),
岡部 宏之
(翻訳)
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- 本の長さ355ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1984/4/1
- ISBN-104150105553
- ISBN-13978-4150105556
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1984/4/1)
- 発売日 : 1984/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 355ページ
- ISBN-10 : 4150105553
- ISBN-13 : 978-4150105556
- Amazon 売れ筋ランキング: - 141,064位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- 2024年12月25日に日本でレビュー済み遠い昔、高校生の頃読みふけった銀河帝国の興亡ことファウンデーションシリーズがオーディブルにも加わったことにより懐かしさもあり再読(聴?)してみた。当時の記憶も薄れてしまっているが、壮大なスケールに圧倒されたことを覚えている。
作品は1940年代に執筆されたこともあり、技術背景が現代とは全く違う。作品中に見られる未来の技術もその多くは現在当たり前に見られるものも多い。当時は夢の技術だったのであろう原子力が作品中でも中核的な技術の役割を果たしている。その一方現代では当たり前のネットやPC、更にはハンディPCたるスマホに類するものは全く見られない。未来なら遥かに進歩した機器が満ち溢れているだろうに。
最初に本作を読んだのは1970年代であり、本書が刊行されてから二十数年しか経っていない頃。技術水準も大した格差はなかった。作中の未来の技術も当時の高校生である私にもなんとかイメージできるものだった。しかしそれから現在まで約半世紀。わずか半世紀の内にご存知の通り技術は当時の高校生からすれば長足の進歩を遂げている。とは言ってもネットやPCという原始的な道具に囲まれている我々からみても作品中の夢の技術はとても古臭く感じる。勿論恒星間航行など未だ実現していない技術も多くあるのですが。5万年後の未来なのにショボすぎる。人間が情報を脳だけで処理するような原始的な状態に居るわけ無いでしょう。肉体自体放棄している可能性のほうが高いのではないでしょうか。肉体という牢獄に囚われているのは下層民や貧民だけで、上流階級はコンピュータの中に人格を移しており、無限の生命と無限の快楽を享受しているとか。あ、すみません。余談でした。
社会制度や生活習慣も価値観も20世紀の生活様式からほとんど外れていない。人名もヨーロッパ系がほとんどだし女性もほとんど登場しない。今から5万年も未来なのにだ。
今回改めて聴いてみた訳だが、やはり当時とは感想も随分違ったものになったことに驚く。それだけ私も歳をとったということだろう。
- 2024年9月12日に日本でレビュー済みAmazonで購入過去本で持っていたが、転居の際捨てざろう得なく悔しい思いをしたので。
- 2016年8月31日に日本でレビュー済みAmazonで購入創元推理文庫版を愛読していましたが、このKindle版は訳が酷すぎます。機械翻訳したような直訳のオンパレードで、とても読みずらかったです。作品そのものは不朽の名作なので、なおさら残念です。
- 2021年4月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入壮大なスケールの作品なので、登場人物も多いですし、時間的にも大きな跳躍があるので、ストーリーを追うのが少し大変ですが、全体として読みやすいですし、構想はとても面白いです。
しかし1940年代に書かれたためか、銀河の端から端まで宇宙船で移動できるのに紙の新聞を読んでいたり、電話ボックスに並んだり、登場人物がやたら煙草を吸ったりしていて楽しいです。
- 2016年5月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入商品は、きれいで新品のようでした。発行年数なりの黄ばみはあるが、本屋の軒先でも同じようなのもなので、特に不満はありません。
未来を科学的に予想できるという設定は、なかなか面白い、続きが読みたくなった。とあるサイトで戦略の勉強に最適と書かれていたので注文したが、期待を裏切らない内容だった。
- 2022年9月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入ファウンデーションシリーズはかなり前に文庫版で読んでいましたが、Kindleを購入したので
改めてKindle版で読んでみました。1940年代に執筆され、アメリカでは1951年出版、そして
日本では1984年に刊行されています。
執筆から70年近く経っていますが、SFとしては珍しく陳腐化していません。これは物語の鍵
となる「心理歴史学」が現代の社会心理学と統計学の融合によるものなので、論理物理学の
ように進歩していないが故に陳腐化を免れているからでしょう。
とは言え、心理歴史学で未来の銀河帝国の行く末を予言できると言う前提を受け入れてしまえ
ば、その後の物語は論理的で破綻がありません。大凡100年毎に訪れるセリダン危機も良く
ここまで組み立てられたものだと感心します。そして心理歴史学の予言から逸脱する可能性
まで考えて第二ファウンデーションを設立しておく辺り、大したものです。
SF好きの方なら、このシリーズの価値を理解して頂けるものと思います。翻訳も悪くありま
せん。するっと読破出来ましたから。
- 2014年9月26日に日本でレビュー済みAmazonで購入40年以上前にアシモフのファウンデーション3部作に出会い、虜のなってからアシモフの邦訳されたものはどんなジャンルでも手に入れて読んできました。
科学全般のエッセーは、素人にもわかりやすく解説してくれとてもべんきょうになりました。「黒後家蜘蛛の会」シリーズなどのミステリも興味深いものでした。
SF作品にも「神々自身」や「メネシス」などすばらしい単発作品があります。
しかし、最も傾倒したのは「陽電子ロボット」シリーズと「ファウンデーション」シリーズを結合した作品群です。
リアルタイムで発表されたものを読んできて、それぞれの作品1作づつでも十分楽しめましたし、これからも読み継がれると信じています。
しかし、これらの作品群を設定時代順の読み進め、数万年にわたる時間を旅することで
より大きな楽しみが得られるとおもいます。
私が考えた読む順番を参考にお示しします。
1「われはロボット」「ロボットの時代」や「聖者の行進」内の数編などロボットもの
2「鋼鉄都市」
3「はだかの太陽」
4「夜明けのロボット」
5「ロボットと帝国」
・ Roger MacBride Allen「Caliban」(アシモフ公認作品)
・ Roger MacBride Allen「Inferno」(アシモフ公認作品)
・ Roger MacBride Allen「Utopia」(アシモフ公認作品)
6「宇宙気流」
7「暗黒星雲の彼方に」
8「宇宙の小石」
9「袋小路」(アシモフ初期作品集「母なる地球」に収録)
10「ファウンデーションへの序曲」
11「ファウンデーションの誕生」
・ グレゴリイ・ベンフォード「ファウンデーションの危機」
・ グレッグ・ベア「ファウンデーションと混沌」
・ デイビッド・ブリン「ファウンデーションの勝利」
12「ファウンデーション」
13「ファウンデーションと帝国」
14「第二ファウンデーション」
15「ファウンデーションの彼方へ」
16「ファウンデーションと地球」
尚、5と6の間のRoger MacBride Allenの作品は邦訳はありません。興味があって英語の得意な方は原書をどうぞ。
また11と12の間にある「新・銀河帝国三部作」は早川書房から発売されています。
できることなら、新たなファンのためにこの三部作も含めてすべてkindleで読めるようにしていただければと願っています。