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21世紀以降、いまだ『EUREKA』を超える実写の日本映画は現れていない。 映画監督の仕事は役者の演出でも、映像や音楽をこねくり回すことでもない。世界に眼差しを提供すること。 青山真治は白黒でもセピア色でもなく、温もりのある土色のフィルタを観客に提示した。沢井や梢の孤独を温めた。 車窓からの景色を見せ、観客をバスに乗せて彼らを一緒に見守らせた。 沢井の咳が最大の音楽。声にならない声、SOS、やるせなさ、観客へのノック。 ラストで世界がカラーに変わるとき、彼らは何かを発見した。それは青山真治も分からない。ただ発見したことだけが分かっている。キャラクターは監督の私物ではない。彼らには彼らの人生があ…
★★★★☆ あらすじ 父とその愛人と暮らす男子高生は、暴力的な性癖を持つ父親の血を受け継いでいるのではないかと恐れている。 www.youtube.com 感想 田舎町で暮らす男子高生が主人公だ。職業不詳で欲望に忠実な父親と、彼に殴られるままの若い愛人と共に暮らしている。近くに住む母親は、たまに立ち寄る息子にそんな父親に対する恨み言を並べる。彼らのまわりには、閉塞感溢れる中小都市に特有のよどんだ空気が漂っている。 主人公と父親や愛人、そして母親の関係が描かれていく。彼らの間で交わされる会話のほとんどが、性的な事柄に関する事なのはよく考えるとすごい。母親などはずっと夫との行為のことについて息子に…
★☆☆☆☆ あらすじ 子供の名門私立高校受験に備える家族ぐるみの合宿に参加した男は、突然愛人に訪問されて戸惑う。118分。 www.youtube.com 感想 子供の受験対策のために指南役を招き、複数の家族で合宿する湖畔の別荘が舞台となる物語だ。子供たちが集中的に勉強するために合宿するのは分かるとして、親まで一緒に共同生活する必要はあるのか?と思ってしまうが、両親の面接対策だったり親同士の交流だったり、私的な集まりなので保護者の責任だったりがあるのだろう。 この共同生活に主人公の愛人がやって来て、殺されてしまったことから物語は動き出す。だが、皆で犯人を庇い、証拠隠滅する流れになるのがどうして…
★★★☆☆ あらすじ 両親を交通事故で亡くしたばかりの女は、叔父夫婦が所有する高層マンションの部屋で暮らし始める。 www.youtube.com 感想 タワマンで暮らし始めた女が主人公だ。突然両親を失ったばかりというのに淡々とした様子なのが印象的だが、素直に現実を受け止め切れていないのだろう。引っ越してきた地上から遠く離れた高層マンションの一室は、そんな彼女の雲のようなフワフワとした心情を表わしているかのようだ。 タワーマンションの真実 (The Secrets Behind High-Rise Condos) 作者:橋本友希 建築画報社 Amazon 平然としているように見える彼女は、引っ…
一条真也です。いよいよ、今年も残りわずかですね。ブログ「『西日本新聞』シネマ連載開始!」で紹介したように、わたしは、今年8月から「西日本新聞」に映画をテーマにしたエッセーを「佐久間庸和」の本名で連載しました。連載記事については、権利の関係で紙面掲載後1ヵ月間はウェブ公開ができません。その時期がすでに過ぎましたので、晴れてここに公開いたします。第9回目は「東京公園」を取り上げましたが、見出しは「青山監督を再確認したい」です。 「西日本新聞」2023年11月23日朝刊 青山真治という映画監督がいました。1964年生まれですから、わたしの1学年下です。北九州市の出身です。門司高校から立教大学に進み、…
一条真也です。14日の朝、ブログ「小倉昭和館再生!」で紹介したように、昨年8月10日夜に発生した旦過市場の火事で焼失した老舗映画館・小倉昭和館が再建され、こけら落としで上映された日本映画「共喰い」を鑑賞しました。 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。「小説家・田中慎弥による人間の暴力と性を描いた芥川賞受賞作を、『サッド ヴァケイション』『東京公園』などの青山真治が映画化した人間ドラマ。昭和の終わりの田舎町を舞台に、乱暴なセックスにふける父への嫌悪感と自分がその息子であることに恐怖する男子高校生の葛藤を映し出す。主演は、『仮面ライダーW(ダブル)』シリーズや『王様とボク』の菅田将暉。名バイ…
一条真也です。14日、とても嬉しい出来事がありました。ブログ「さよなら、小倉昭和館」で紹介したように昨年8月10日夜に発生した旦過市場の火事によって老舗映画館の小倉昭和館が焼失しましたが、多くの昭和館の想いがかなって焼失前と同じ場所で再建され、そのこけら落としに参加したのです。樋口智巳館主とも喜びの再会を果たしました。 復活した「小倉昭和館」の前で 多くのお客さんが行列を作っていました ベンチに座って「本当に良かった!」とつぶやく わたしが贈った花が入口に飾られていました 歓びの樋口館主と ロビーには伝説の看板が・・・・・・ 劇場内のようす 笑福亭鶴瓶シートに座りました 以前のように売り子をす…
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