自然を守ることや、働き手の人権を大切にすることは、ものづくりの新しい基準です。10人のアドバイザーと選んだ、意志ある作り手による衣食住のアイテム。今回は、ファッション小物を厳選してご紹介します。私たち消費者にできるのは買い支えること。買いものは未来を変える投票です!
アドバイザーの皆さんは…
相馬夕輝(〈D&DEPARTMENT〉ディレクター) エバンズ亜莉沙(エシカルコーディネーター) 長田佳子(菓子研究家) 岸紅子(ウェルネスプロデューサー) 清水彩(フリーランスPR、ディレクター) 寺澤太郎(フォトグラファー) 中田由美(インテリアスタイリスト) 服部雄一郎(翻訳者) 早坂香須子(メイクアップアーティスト) 行方ひさこ(ブランディングディレクター)
“余りもの”に価値を与え、
大量廃棄問題に立ち向かう
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雑貨、服、家具など、ものづくりを行ううえでどうしても発生する端切れや端材。またキズなどで販売できなくなった商品の大量廃棄。長年続く課題の解決を目指し、2015年からライフスタイルブランド〈イデー〉が取り組むのが、廃棄される生地やものに価値を与え、新たなものへと生まれ変わらせるプロジェクト「POOL」。〈ミナ ペルホネン〉の皆川明氏が監修を務める。配色がかわいいソックスの素材は、奈良の靴下工場から出たヤクウールの残糸。
毎年約8000万本が廃棄。
ビニール傘に新たな命を
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大雨や台風が過ぎ去った後、街中に捨てられる大量のビニール傘。分解のしにくさからリサイクルが難しく、多くが焼却または埋め立て処理されている。その数は1年間で約8000万本にのぼるという。そんなビニール傘の防水性や防汚力に着目した〈プラスティシティ〉は、独自の技術でビニールを何層にも重ねて圧着することで、耐久性を高めバッグや財布、帽子へと蘇らせることに成功。驚くほど軽いので、マイボトルやパソコンなどたっぷり荷物を入れても快適!
使用済みペットボトルの
リサイクル糸で編む、新時代のシューズ
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分別回収された使用済みペットボトルを、洗浄、殺菌し、小さなチップへと粉砕。さらに熱を加え紡績した再生PET糸をアッパーに配した〈オッフェン〉のシューズ。軽量かつ、やや伸縮性のあるニット素材は、歩きやすく、自宅で水洗いOK! 製造工程を最小限に抑え、工場から排出されるCO₂を低減するほか、靴箱の代わりにリユース可能なペーパーバッグを採用。あたたかみのある素材感が冬に最適なブーツは、再生PET糸に羊にやさしいノンミュールジングウールをミックス。