36時間も停電が続くガーナで生まれた超大容量10000mAhのバッテリー搭載スマホ
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アフリカに位置するガーナ共和国では都市部においても停電が36時間も続くことが当たり前になっているとのこと。そんな深刻な電力危機にあるガーナでは、なんと10000mAhもの大容量バッテリーを搭載したスマートフォンが流行しています。小型の電子機器に給電も可能なユニークなスマートフォンになっており、アフリカの起業家エマニュエル・クオーティ氏が実際に現物を入手してレビューしています。
The Mystery of the Power Bank Phone Taking Over Accra — Product Notes — Medium
https://medium.com/product-notes/the-mystery-of-the-power-bank-phone-taking-over-accra-344adbb56919
エマニュエル・クオーティ氏はガーナの首都アクラで、人々のポケットが膨らんでいることに気付きました。ポケットに入っているのは写真に写っている新型のスマートフォンですが、iPhone 6 PlusやGalaxy 6Sのようなフラッグシップモデルではありません。小型化が進む携帯電話の流れに逆らうかのように、まるでトランシーバーのようなサイズのスマートフォンで、ガーナではこのスマートフォンの需要が高まっているとのこと。
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横から見るとかなり分厚いことが分かります
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クオーティ氏の調べによると、このスマートフォンは100~150ガーナセディ(3000円~4600円)で販売されています。3枚のSIMカードを格納可能なトリプルSIMスロットを搭載。FMラジオ・Facebook・WhatsAppがプリインストールされています。本体バッテリーを外部給電可能で、小型電子機器のモバイルバッテリーにもなるほか、LEDフラッシュライトもついています。正式名称はなく、「Power Bank」または「big black phone」「army phone」と呼ばれているとのこと。
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ガーナの人々が「Power Bank」を求める理由は10000mAhもの大容量バッテリーにあります。バッテリー容量が2915mAhのiPhone 6 Plusと比較すると3倍以上の大容量バッテリーで、36時間も停電が続く電力供給が不安定なガーナにおいて、あらかじめ充電しておくことでMP3プレーヤーなどを充電できるPower Bankは「通話もネットもできるモバイルバッテリー」として重宝するわけです。
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このスマートフォンにはディスプレイ下の記載が「GALACE SQ」と「X-TIGI」のものがあることが分かっていますが、2台のスマートフォンは全く同じものであり、どちらがフェイクなのかは分かっていません。なお、ガーナでは通信会社の特典を受けるために複数のSIMカードを所持していることが多いため、トリプルSIMによって簡単に使用するSIMカードを切り替えられるほか、小さなSIMカードの紛失を防ぐ優れたオプションとなっています。
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以下はプリインストールされているWhatsAppを起動しているところですが、挙動は非常に遅く、プッシュ通知も設定できないため、毎回アプリを立ち上げないと新規メッセージを確認できません。Facebookアプリも実用に耐えられないレベルであり、スマートフォンとしてさまざまなアプリを使うにはスペック不足の模様。
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本体の上部にはなぜかフックがついています。多くの人はラジオのアンテナだと思っていたそうですが、これは停電時にLEDライトを点灯させて、電球の代わりにどこかに吊るすために使うために付けられているとのことです。クオーティ氏はありそうでなかったPower Bankを調査したことで感銘を受け、毎日充電が必要なスマートフォンのバッテリーは改善が必要だと述べています。
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in モバイル, ハードウェア, Posted by darkhorse_log
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