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ソニーの「ULT WEAR」は、プレミアムモデル並みの音質や装着感を備えつつ、価格を抑えたヘッドホンだ。(国内編集部注)通常価格は3万3000円だが、Amazonでは21%オフの2万5930円となっている(記事公開時点)。
近年のヘッドホンは高級機よりも中価格帯の機種が充実してきた。多くのメーカーが、手頃な価格にもかかわらず音質とデザイン、装着感に優れたモデルを次々と発売しているからだ。
実際、200ドル(約3万円)前後のヘッドホンであっても、400ドル(約6万円)クラスに匹敵する性能を持つものが増えている。ソニー「ULT WEAR」(2024年モデル)は、フラッグシップヘッドホンの「1000X」シリーズの技術を活かしながら、より購入しやすい価格を実現したモデルだ。
なお、ソニーのヘッドホンといえば、ウォーム系で低音寄りのサウンド、実用的なデザイン、多機能が売りだ。ULT WEARもそうした“ソニーらしさ”を受け継ぎつつ、他のモデルにはない独自の機能を備えている。より上位の「WH-1000XM5」に興味があるものの、価格面で迷っているなら、Ult Wearは有力な選択肢になるだろう。
まず音質だが、40mmドライバーによるウォームな低音寄りのサウンドが魅力だ。高音域もほどよく明瞭で、耳に刺さるような刺激は少ない。ヒップホップやEDMなど、低音が重要なジャンルには特にフィットする音作りだが、ボーカルや楽器も埋もれすぎず、全体的に聴きやすいバランスに仕上がっている。
Tame Impalaの「Is It True」を試聴したところ、ベースラインに力強さがあり、ボーカルやシンセの音色はクリアに再生された。全体としてはグルーヴ感をしっかり感じられるサウンドだった。
とりわけ注目したいのは、ボタンひとつでより深みのある重低音に切り替えられる機能だ。ソニーいわく「(ライブ会場にいるような)心を震わせるような低音」を得られるという。
同機能は、Skullcandy(スカルキャンディー)製の「Skullcrusher ANC 2」にある“体感できる低音”と似ているが、ソニーの方が直感的に同機能を扱える。
左のイヤーカップにあるUltボタンを押すと、ベースが大きく強調され、耳の奥で低音が振動する感覚を味わえる。ただし低音が増すぶん中音域が曇りがちになるので、イコライザーの微調整が必要だと感じた。とはいえ、高音質技術のおかげか、楽曲本来のディテールが損なわれにくい点は好印象だ。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)には、1000Xシリーズと同じ「V1」チップを採用している。より低価格の「WH-CH720N」でも使われているチップだが、ULT WEARのほうが騒音を抑える性能は高いと感じた。
専用アプリではノイズキャンセリングと外音取り込みモードを切り替えられるが、いずれをオンにしても音質が変化する点は、この価格帯のヘッドホンとしては一般的な傾向だろう。
デザインはXM5のシンプルな外観とXM4の機能性をうまく融合させている。イヤークッションにはポリウレタンレザーを採用し、柔らかな装着感を実現している。
ヘッドバンドの調整部分以外はプラスチック製だが、その分軽量で扱いやすい。右のイヤーカップはタッチ操作に対応しており、装着検知や風ノイズ低減用の外部マイクも備える。
3.5mmケーブルやUSB-C充電ケーブル、布製キャリングケースが付属し、価格を考えると付属品も充実している。
総合的に見ると、ULT WEARは通勤や出張などの移動時に活用しやすく、特に筆者のように低音の迫力を重視する人にとっては魅力的なヘッドホンだ。
ただし、もともとソニーの低音チューニングで十分満足しているなら、ULT WEARの低音は強すぎる可能性がある。そうした場合は、よりおとなしい低音チューニングのWH-CH720Nを検討してもいいだろう。
また、フラットなサウンドと程良いノイズキャンセリングを望むなら、ゼンハイザーの「Accentum Plus」も候補に入れる価値がある。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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