第45話 月夜のプロローグ
更新順序を間違えてしまいました、申し訳ありません。
清水の月15日、今日も私は一人で満月の浮かぶ空を眺める。
今までも一人、そして、これからも一人。
それでいい、子供のままでいられれば、苦しくても、辛くても、寂しくても、誰も恨まず、全てを忘れて生きていけるのだから。
けれど、一人で満月を見るのは、その日で最後になった。
忘れもしない、緑風の月4日、私は運命と出会ったのだから。
「俺の名前はクロノ・マオ、君は?」
もう、私は一人じゃなくなった。
子供のままでいられれば、苦しくない? 辛くない? 寂しくない?
全て嘘だった。
そんなものは、ただの欺瞞、自分を騙して、欺いて、気がつかないフリをして……
でも、そんなことはもうどうでもいい。
昔のことなどうでもいい、何もかもがどうでもいい。
何故ならば――
「ああ、リリィが居てくれれば、俺はこの世界で生きていける、寂しくも無い」
私も同じ気持ちだから。
貴方が、貴方だけが居てくれれば、私はこの世界で生きていける、寂しくなんか無い。
私はもう昔に戻れない、一人に戻れない、貴方がいるから。
そう、だから、世界にはただ、私と貴方だけいればいい。
他のモノなんて、もう、いらない。