友だちの花ちゃんは現役キャバ嬢。
いつまでも彼氏が出来ずくすぶっている私を見かねたのか、モテ女の花ちゃんが飲みに誘ってくれた。
「ここにしよう」と会社帰りのサラリーマンがゴロゴロいる居酒屋に私を率いる花ちゃん。
団体で来ているお客さんが大勢いる中、一人で飲んでいるおじさんがいた。
「すみません、ご一緒してもいいですか?」と花ちゃんが軽快に話しかける。
とても自然で、慣れている気がした。
外資系IT企業のマネージャーだと言っていたので結構偉い人なのかもしれない。
会社はしがらみが多いので、何もかも嫌になった時はよくこの店に一人で飲みに来るのだと言う。
「ねーねーおじさんはどういうプレイが好きなの?イ●マ●オとか好き?あたしはねえ、『イヤだイヤだ』って言ってんのに無理やり突っ込んでくる男が好きなんだ」
花ちゃんはド下ネタを大声で話す。キャバクラではこれが普通なのかもしれない。
すごくよく喋るタイプの彼女は初対面のおじさんを質問攻めにしていた。
「やだぁおじさん、さっきから暇女ちゃんのことばっかり見てるよ~?」
わかった・・・これはもしかしたら・・・
もしも私たちのタイプが同じだったら、華やかさで劣る私は花ちゃんに負ける可能性が高い。
しかし2人の性格があまりに違う場合、お互いがお互いの引立て役になることが出来る。自分に気があるかないかが明確になるのでターゲットを絞ることが簡単になるし、もし自分が選んでもらえなくても悔しくない。
「キャラの違う女友達とつるんでると、自分がどういう男の人にウケてどういう男の人にウケないかがハッキリ分かるようになるよ」
花「ねえ、今度はあたしのお気に入りの楽しいパブに行ってみない?」
暇「ぱ、パブ!?」
「昭和パブ」と呼ばれるそのお店は、70~80年代に青春を過ごしていたであろうサラリーマンのお客さんでいっぱいだった。
石川ひとみの「まちぶせ」や少年隊の「仮面舞踏会」が流れると、店中大合唱の大盛り上がりになる。
すごく楽しそう
「ここはいつもおじさんばっかりだから、女の子だけで来ると確実にモテるよ」
花「あたしは若い男の子は嫌いなんだけど、おじさんと昭和歌謡は大好きだからこのお店は本当に楽しい。」
立ち上がってスクリーンの脇で「まちぶせ」を熱唱する花ちゃん
おじさん「いいぞー!姉ちゃん!!」
「手っ取り早くモテたかったら、自分の得意分野の男性がたくさんいる場所に身を置く。そこで自分の魅力をフルに披露すれば必ずモテはつかめるよ」
花ちゃんはどこからともなく2人のアラフォー男性を呼び寄せた。
「あたしがいつも遊んでもらってる人たちだよ。これから4人でカラオケ行かない?」
暇『カラオケか・・・よし・・・!』
「え、AKBのコスプレで『永遠プレッシャー』熱唱!?・・・暇女ちゃん、こういうことも出来る子だったのね・・・」
「いいね!」 「かわいい。」
このあと広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」やレベッカの「フレンズ」といった30~40代男性にウケる曲を立て続けに熱唱し、拍手喝采を浴びた。
「やるじゃん」
男ウケを究めるべくこれからカラオケに通い詰めようと心に決め、しかし『またコスプレをしてしまった』という後悔の念を胸に抱きつつ、夜明けの新宿を後にしたのであった・・・
暇な女子大生(id:aku_soshiki)
「暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ」を書いている女子大生もといフリーライター。好きな男性のタイプは洗濯物の畳み方が几帳面そうな人で、好きな食べ物はエビチリです。
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