冨安健洋は完全復活なるか 長谷部誠は言った「人生の物事には、すべて意味がある」
「数日前に右ひざの手術を受け、すでに復帰に向けてリハビリを開始しています」
冨安健洋は2月19日、自身のインスタグラムでひざに再びメスを入れたと語った。
「芝生の上で練習開始」「復帰間近」「トップチームに合流」などなど明るい話題の直後に「もう少し様子を見るべき」「あと2〜3週間」といった慎重論も聞こえてきてはいたが、再手術とは深刻だ。
冨安健洋が再びピッチに立つ日を心待ちにするファンは多い photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 今シーズンはまだ6分しかプレーしていない。アーセナルにとって大きすぎる痛手だ。最終ラインの仕事すべてをハイレベルでこなし、世界でもトップランクのDFである冨安の長期欠場で、ミケル・アルテタ監督のプランに狂いが生じている。
ウィリアン・サリバとガブリエウ・マガリャンイスは、ほぼ出ずっぱりだ。リッカルド・カラフィオーリとベン・ホワイトの肉体は、疲労の蓄積で悲鳴を上げた。
「トミ(冨安の呼称)さえ万全なら......」
アーセナルOBで、2000年代前期に黄金期を築いたティエリ・アンリも、日本代表DFの不在を嘆いていた。
右ひざを再手術した冨安は、すでにリハビリを始めている。アーセナルのチームメイト、日本代表の戦友、マンチェスター・シティの長谷川唯などがXで励ましのメッセージを送り、仲のいいサリバは「Next season bro」(さぁ、来シーズンだ、兄弟)と暖かい。トミが愛されている証拠である。リハビリはきっとうまくいく。
「ひざはじん帯や半月板、腱などの構造物によって支えられています。じん帯は外側と内側、前十字、後十字などがあり、それぞれが違う役割を担っています。動きが多岐にわたるフットボールでは過度の負担がかかり、炎症や痛みが長引くケースも確認されていますから、休養も治療の一環ですね。最悪の場合、手術も考えなくてはなりません」
かつてチェルシーの人気女性ドクターだったエヴァ・カルネイロは、10年ほど前から警鐘を鳴らしている。冨安の負傷はサッカーの過負荷によるものかもしれない。
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著者プロフィール
粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。