「マスコットキャラクター」とは何か。
企業やイベントのシンボルとして、様々な場所に現れては愛想を振りまくカワイイ奴。
最近だと「ひこにゃん」とか、ベテランでは夢の国のネズミさんとか、まぁ色々いる。
しかしこれらには共通且つ絶対不可侵の約束事がある。
それは、
「中の人などいない!!」
この約束事が破られた日にゃあ、子供達は夢を壊されて泣き崩れてしまう事だろう。
しかし20世紀末、北海道のあるテレビ局は、まるでそんな約束事など存在しないかの様に大胆不敵な行動に出た。
彼らが生み出したのは黄色い体に帽子をかぶった、その名も
「onちゃん」
であった。ひょっとしたら当初はそのテレビ局、即ちHTBも他と同じマスコットキャラとして北海道民に愛される存在を目指したのかも知れない。
しかし、幸か不幸か、HTBはローカル番組としては異例の人気番組を当時放送していた・・・言う迄もない、「水曜どうでしょう」である。
出来たばかりのonちゃんを番組内で大々的に宣伝しよう、二名のディレクターF氏とU氏はそう考えたのだろうか?
だが、onちゃんを初フィーチュアした回で、本来あり得ない様な出来事が起こってしまう。
その時出演者は三人いた。だがあるシーンから出演者は二人だけになり、そこへonちゃんが登場したのだ。
観ていた誰もが思った。
「これ・・・明らかに中に安○さん(三人目の出演者)入ってるよね?」
スタッフは、出演者はどうごまかすのか? ・・・ごまかすどころか、出演者達は喜々としてonちゃんのボディにパンチをお見舞いしまくった。まるで安○さんに対する様に。
また別の企画では出演者、全スタッフ、そしてonちゃんが夜通し呑んでしこたま酔っぱらった末に早朝の情報番組に出演し、生放送中にonちゃんをボコボコにすると言う事態まで発生してしまった。
そして何時の日か、「どうでしょう」内のみならず、世間で以下の図式が出来上がってしまった。
「onちゃん=安○さん」
「マスコットの中に特定の人物が入っている」と言う本来この世界では「あってはならない」認識の上に成立している、あらゆる意味で掟破りのonちゃん。
だが特筆すべきは、人々がonちゃんをあらゆる掟破りの存在である事と知った上で愛してやまない、と言う事にある。今や安○さん以外の人が中に入ってるとがっかりされてしまうのではないかと言う勢い。
他のレビューに散々名前が出ているので、このレビューで名前を伏せても意味は無いのだが、一応タイトルにもある様に
「マスコットキャラとしてのonちゃん」
と言う側面から考察してみた。
最後に個人的な事を付け加えるならば、
夏野菜スペシャルで登場した簡易型onちゃんとか陶器製のディレクターとかも商品にして欲しいです。