石破茂首相は8月に迎える戦後80年の節目に合わせ、歴史認識や平和国家としての決意を示す「談話」を公表する方向で検討を始めた。安倍晋三元首相による2015年の戦後70年談話から10年が経過し、ウクライナ侵攻など国際情勢の変化も踏まえ日本として新たな見解を示す必要があると判断した。政府関係者が28日、明らかにした。自民党の保守派には強い異論があり、反発するのは必至だ。
首相は27日までに官邸幹部らと対応を協議した。党内には70年談話で謝罪外交に区切りがついているとして、新たな談話を出すことに根強い反対意見がある。
ただ国際情勢の変化に加え「80年の節目に何もしないのはあり得ない」(首相周辺)として、国際社会に新たなメッセージを発信する必要があると判断した。
林芳正官房長官は石破内閣の歴史認識に関し「これまでの首相談話を含め、歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と説明している。首相は安倍元首相の70年談話を含む歴代政権の談話を基本的に踏襲しつつ、自身の思いも盛り込みたい考えだ。