「投げられるカメラ」。それ自体は、さほど目新しくありません。でも、めちゃくちゃな画像やぐるぐる酔うような動画を撮影しないように工夫されたカメラだったらどうでしょうか? スティーブ・ホリンガー(Steve Hollinger)さんは、何年もかけてそんなカメラを開発してきました。そしてついに最新のプロトタイプ「スクイート(Squito)」で、彼の求める境地に達したのです。
デモ動画にあるとおり、この球体には複数のカメラが内蔵されているため、全方向を見渡すことができます。そして、慣性計測ユニットとインテリジェントな画像認識を活用することで、ボールは空中で回転しながらも安定した角度から人間などの被写体を追跡して撮影できるんですねー。それぞれのカメラで撮影した画像を自動的につなぎあわせてくれるため、ボールの視点から見た360度パノラマ写真や安定したパノラマ動画の撮影もOK!
それだけではありません。ホリンガーさんはこのスクイートに実用的な機能をいくつか搭載しています。たとえばサーモグラフィーや夜間撮影にも対応し、撮影画像をワイヤレスで別のデバイスに送信できるため、危険な状況下での調査を試みる人にとっては便利なお助けアイテムにもなります。複数のスクイートを同時に投げれば、より幅広い視野を得ることもできます。
さらに身近な分野では、野球のときにボールの視点で簡単にリプレイできる超革新的なカメラになるかもしれません。想像すればするほど夢が広がるスクイートですが、現実との狭間に立ちはだかる壁はただ一つ。このプロトタイプを完成させ商用化するための出資だそうですよ。
Andrew Liszewski(Rumi 米版)