来年のものまだなら… 専門家お薦めの手帳・ベスト10
書店や雑貨店の手帳売り場がにぎわっている。スマートフォン(スマホ)の予定管理アプリを使う人も増えたが、手帳の人気は根強い。特に覚書や日々の生活の記録(ライフログ)を記すのに向く1冊を専門家に選んでもらった。

目的別に3種の冊子で整理
「分冊化してありズボラな人でも整理しやすい」(岩崎多さん)、「さまざまなガイドがありライフログ初心者にやさしい」(荒川翔太さん)。(1)コクヨS&T(2)3800円(標準カバー付きのファーストキット)など。分冊のばら売りあり(3)www.kokuyo-st.co.jp/stationery/feature/jibun_techo/

1日1ページでたっぷり書ける
各種ポケットや筆記具ホルダー、しおりなどを装備したカバーは、2015年版で35種類。「早い時期からライフログとスケジュール管理を融合した。"振り返り手帳"の頂点」(納富廉邦さん)。判型は他に2種類ある。(1)東京糸井重里事務所(2)3780円(カバー&本体セット、税込み)から(3)www.1101.com/store/techo/

サイズ・記入方式など選択広い
「月ごとの目標欄、記録欄など使い手に記入を促す工夫が随所に」(舘神龍彦さん)(1)マークス(2)3200円(定番のスープル、B6判)など各種(3)marksdiary.jp/edit/

通帳方式に横でも使える
「縦、横に分かれた全面方眼のレイアウトは複数の種類のログを取るのに便利」(荒川さん)、「書体、中紙や表紙の色使いなど細部にこだわり」(和田さん)(1)ブラウニー(2)2592円(税込み)(3)brownie-techou.com/

書き心地いい紙にこだわり
見開き1週間表示のバーチカル式、右ページがメモ欄のレフト式、1日1ページ式など書式は6通り。大きさは書式によって違うが、A6判、B6変型判、A5判、B5判がある。「レイアウト、表紙の色、サイズの豊富さ、筆記具を選ばない紙質。文具好きが好む手帳」(桜井有紀さん)。価格は1300~3200円
1949年に誕生した時間目盛り入りの手帳に端を発するビジネス手帳がブランドを刷新。2015年版で登場した「ノルティU」はコンパクトで「胸ポケットに入れておきいつでも記録を取りたいという人にはベスト」(美崎栄一郎さん)。「細かい時間軸の最新の目盛りケイが使いやすい」(真壁一弘さん)。価格は1500円(ノルティU)
勉強法「陰山メソッド」で有名な陰山英男氏がプロデュースした。食事や睡眠の記録欄のほか、巻末には「1行日記」なども書き込める。「マンスリーページは仕事の進行状況の管理や、家族の名前を書いてファミリー手帳としても使える」(山本貴和さん)。価格は2000円
定番のキャンパスノートの手帳版で、書式やサイズが豊富。2冊が収まるカバーも。「書式が違う手帳やノートと組み合わせて使いやすい」(岩根三保さん)。価格は350~1250円
見開きで1週間分の予定がわかり、記入欄は30分単位の実線で日々の予定を立てやすい。「平日と土日が同じケイ線で土日が休みでない人もスマートに書ける」(真壁さん)。価格は3500円(税込み)~
表の見方 数字は選者の評価を点数にした。(1)発売元(2)税抜き価格(3)公式サイトURL。アタマのhttp://は省略。記事中のリンクは掲載時のものです。
人生の記録 書き込もう

その日の出来事や食べたものなどを記すライフログは、生活や仕事に役立つアイデアを生む宝の山にもなる。こまめに読み返すならなんと言っても手帳が使いやすい。手書きは手間がかかるが「文具などを使ってより豊かな表現ができる点で手帳はデジタル機器に勝る」と手帳評論家の舘神龍彦さんは話す。手書きの文字は個性があるし、図やイラストも自在に描ける。

手帳を研究する市民団体「日本手帖の会」(横浜市)事務局長の間辺雄輔さんは手帳の書式は主に3つあるという。予定は分刻みという人には「バーチカル(垂直)式」がおすすめ。見開きに1週間を収め、1日分の予定や出来事を縦の時間軸に沿って書く。「レフト式」は見開きの左ページに7日間の予定欄、右にメモスペースを配置。月間の予定を把握したい人には1カ月を見開きで一覧できる「マンスリー式」がいい。
最近はもはや日記のような「1日1ページ式」も人気だ。映画の半券を貼ったり、アイデアを記したり「自分だけの1冊」を作れる。品薄のものもあるので、ご準備はお早めに。
◇ ◇ ◇
調査の方法 複数の専門家の意見を基に日々の記録(ライフログ)を書き込みやすく、大人が手にしてスマートな印象で仕事にも使いやすい手帳34種類をリスト化し、実際に普段から手帳によく触れている専門家13人にお薦めを順位をつけて選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)
荒川翔太(日本手帖の会・西日本支部長)▽岩崎多(徳間書店「グッとくる文房具2015」編集担当)▽岩根三保(東急ハンズ銀座店・ダイアリー担当)▽加戸千晶(横浜ロフト・文具 手帳チーフ)▽北沢孝之(文具のフリーマガジン「Bun2」編集長)▽桜井有紀(ぷんぷく堂店主)▽舘神龍彦(手帳評論家)▽納富廉邦(目利きライター)▽真壁一弘(月刊文具新聞社・社長)▽間辺雄輔(日本手帖の会・事務局長)▽美崎栄一郎(商品開発コンサルタント)▽山本貴和(丸善丸の内本店・文具グループ売場長)▽和田史子(モノ・マガジン編集部)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。