2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は27日、万博会場を模した仮想空間をオンラインで楽しむことができる「バーチャル万博」の詳細を発表した。4月上旬から提供する専用の無料アプリを使用し、パソコンやスマートフォンなどで約160のパビリオンや施設が再現された空間をアバター(分身)で訪れることができる。実際に会場で行われるイベントの配信を計画する海外館もあり、注目を集めそうだ。
バーチャル万博では、実際の万博会場を複数の島で再構成。パビリオンや施設は建築データをもとに外観などを詳細に再現しており、利用者はアバターで島々を旅しながら、実際の会場を訪れているような感覚を得ることができる。
デジタルならではの仕掛けが数多く提供され、ゲームのように楽しめるほか、翻訳機能で海外からアクセスした利用者と交流することもできる。
パビリオンの出展者向けには仕掛けを簡単に作成できるツールが提供されており、映像配信なども可能となる。各国は万博で自国をアピールする「ナショナルデー」と呼ばれる日を持つが、会場で実施されるイベントをバーチャル万博内で視聴できるようにすることを計画する国もある。
開発を担当するNTTコノキュー(東京)の関係者は「10月の会期終了までの期間で、2億アクセスに耐えられるシステムを構築している。海外に日本の技術力をアピールすることにもつながる」と自信を見せる。協会の幹部は「会場に来ることができない人も万博を楽しめる機会になれば」と話している。(黒川信雄)