オンラインで入団会見に臨んだ菅野。オリオールズの帽子を掲げて喜んだ 【ニューヨーク19日(日本時間20日)=山田結軌】プロ野球巨人から、海外フリーエージェント(FA)権を行使して米大リーグ、オリオールズへ移籍が決まった菅野智之投手(35)がオンラインで記者会見した。1年契約の年俸1300万ドル(約20億円)で背番号は未定。「一番熱意を感じた。コントロール、コンビネーションは勝負していける」と自信を示し、目標にワールドシリーズ制覇を掲げた。新天地のチームカラーで臨んだオンラインでの入団会見。「オレンジ色の鳥のマークが入ったネクタイです」と笑った菅野はオリオールズの帽子を掲げ、抱負を語った。
「日本では日本一になれなかった。ワールドチャンピオンになることを一番の目標にやっていきたい」
1年契約で年俸1300万ドル(約20億円)。他球団で複数年契約を狙う選択肢もあったが「素晴らしいピッチングスタッフがいるし、プレーオフ、ワールドシリーズを勝ちたいというメッセージが伝わってきた。一番熱意を感じた」と決断に時間はかからなかった。16日(同17日)にボルティモアを訪れてメディカルチェックを受け、正式契約した。
先発ローテーション投手の一角として、頂点を目指す。オ軍は2年連続でポストシーズンに進出するも、ワールドシリーズ制覇は1984年以来遠ざかる。有望な若手が多く、正捕手のラッチマンは2年連続でオールスターに選出され、チームの中心選手。菅野は「すごく素晴らしいキャッチャーのラッチマンがいるのでバッテリーを組むのがすごく楽しみ」と心待ちにした。
今季は15勝3敗、防御率1・67で最多勝と勝率第1位のタイトルを獲得。4年ぶり3度目のセ・リーグ最優秀選手(MVP)に輝いた。パワー野球が全盛のメジャーで「コントロール、コンビネーションはアメリカでも勝負していける自信がある」。長年、巨人のエースを張り、通算136勝を挙げたプライドをのぞかせた。
「何かスタイルを変えるわけじゃなくて、今持っているものでどこまで通用するかをまずは試してみたい。本当にこの舞台に立つのが夢だった」と菅野。2020年オフのポスティングシステム利用時は諦めたメジャーの舞台。ベテラン右腕の新たな挑戦が始まる。
★伯父の原辰徳氏に電話報告
菅野は伯父であり、巨人前監督の原辰徳氏(オーナー付特別顧問)にオリオールズとの契約を電話で報告した。「すごく喜んでいましたし、『頑張ってこいよ』と背中を押してもらえた。成長した姿を見せたい」。また、同じく巨人OBでオ軍に在籍した上原浩治氏からは連絡を受けたといい「メジャーリーの大先輩なのでいろいろな話をしたい」と助言を求めるつもりだ。