がっこ作りで食文化学ぶ 北秋田 大根のビール漬け挑戦
完了しました

北秋田市阿仁地域の伝統的な食文化を学ぶ「がっこの学校」が24日、阿仁比立内がっこステーションで開校し、受講者は雪国秋田の保存食「がっこ(漬物)」作りを体験した。
2020年7月、スペインから帰国して同市地域おこし協力隊として移住した合同会社アニーク代表の斎藤美奈子さん(36)が6年越しに温めてきた発酵ビレッジ構想の一環で、一般社団法人・大阿仁ワーキングが主催した。
初回に学んだのは「大根のビール漬け」で、市内外からの男女8人を地元のベテラン主婦ら7人が指導した。ザラメと食塩、辛子で大根をもんでビールと酢をかけ、半月ほど漬け込んで完成する。同市鷹巣から参加した村上利香子さん(55)は「母の漬物を食べるだけだったが、売り物になるレベルのがっこ作りを習いに来た」と笑顔。地域のがっこ名人、松橋幾子さん(84)は「辛子とザラメの加減が大事。重めの重しを載せて皮の部分をしわしわにするのがおいしい」と話した。
会場のがっこステーションは、食品衛生法改正で漬物販売が営業許可制となり、廃業も考えた主婦らの漬物加工所にしようと22年1月、秋田内陸線・比立内駅内に開設された。斎藤さんは地域内外の人々の交流の場にする考えで、「発酵食品の奥深い魅力と地域文化に触れながら新しいコミュニティーを作っていく」と話している。