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僕は食品業界の片隅で働く営業部長。業務用のお米の価格の高騰と取扱量の不足という事態に直面している。ウチの会社はお米の納品先をいくつか持っていて、7割程度をメインの業者、その他3割を数社から納品している。いずれの業者からも値上げとこれ以上の取扱は難しいという打診を受けている。苦境を乗り切るために、お米を使わない商品へのシフト等企業努力をしているが給食部門だけはどうしてもお米を使わざるをえないため苦労している。給食は食材費が定められているので「お米をやめてパンにしましょう」というわけにはいかないという事情もある。 ウチがお米を必要としているという情報を聞きつけたのだろうね、とある業者がお米を買いませんかと売り込みをかけてきた。これまで取引のなかった法人だ。仕入れ担当がサンプル提供と試食を依頼したうえで「保管状況を確認したい」と告げたら、他にもいくらでも買ってくれるところはあると捨て台詞を残して
僕は食品会社に勤務する営業部長だ。中小企業なのでやることが多い。新規開発営業の他にもイベント時のスーツアクター(トナカイくん/トン吉)当番、トナカイくんとトン吉の保守管理等重要業務も任されている。最近は、食材高騰や人件費高騰や人不足の直撃を受け、それらを担当する中間管理職が慌ただしく動いているため、彼らの手が回らないマネジメント業務もやらされている。事業本部長の代理である。事業本部長は「代理だから難しく考えなくていーよー。難題に当たったら持ち帰ってねー」とライト感覚で言ってくれた。 取り急ぎ対応する必要があったのは某小規模事業所。責任者とその他パートスタッフの関係がうまくいっていないという報告を受けての対応だ。マネジメント業務を代理で受ける際に、落ちついている事業所を任せるという約束をしていたので、ルール違反っちゃあ違反だけれども、事業所収益は問題がないので、そういう意味で問題がないという
僕は食品業界で働く営業部長。年末から取引のある米業者さんと交渉を続けている。先日、政府備蓄米21万トンの放出が決まった。微妙なタイミング。ちなみにニュースで「5キロ平均4千円」と伝えられている米の価格は、一般向けのお米のものだ。僕が交渉しているのは業務用米。業務用米(ブレンド米)は昨春のキロ400円弱から年末には600円台に急上昇している。さらにヤバいのは取扱量の制限。各業者の担当者から「これ以上の取扱は約束できない」と伝えられた。価格高騰と取扱量の制限の原因について担当者に訊ねると、大手業者や新規業者が大量に確保してとにかく回ってこない、ものがない、という答えが返ってきた。 値段が高い。量も足りない。嘆いていても仕方がない。ウチの会社でも、米飯を使う商品(弁当、おにぎり)の生産を他の商品へシフトしている。それでも給食部門(社食、病院、福祉施設、保育所)では主食の米を減らすのは難しいため、
僕は食品会社で働くまもなく51歳になる中間管理職。うっすらと早期退職を考えている。会社上層部からは目の敵にされてこれ以上の出世もないし、30年続けてきた営業職に飽きてしまったし、商談相手のムカつく言動に対する耐性も擦り切れているため、いつブチキレて「屋上へ行こうぜ……」と言い出しかねない状態だからだ。切実なのである。奥様に意思を打ち明けても彼女は「辞めて何をするの?」と返すばかりで、「やりたいことをやるよ」「具体的には?」「知らず知らず隠してた本当の声を……」「YOASOBIっぽく言って誤魔化さないで」という流れで早期退職はいまだ認められていない。きっつー。 バルセロナで豆腐屋になった 定年後の「一身二生」奮闘記 (岩波新書) 作者:清水 建宇 岩波書店 Amazon 奥様から「真面目に考えなさい」の言葉とともに参考図書として勧められたのが本書『バルセロナで豆腐屋になった──定年後の「一身
僕は食品会社で働く営業部長だ。人不足により、ヘルプで現場に赴く機会が増えている。昨日は、ウチの会社がマネジメントを任されている飲食店のヘルプだった。仕事自体は周囲の声を聞いて、決められたとおり、ちゃっちゃっちゃっと働くだけなので楽勝。運営部門の担当者からマネジメント業務も任されていた。そこで働いていただいているパートスタッフの労働契約更新に係るヒアリングだ。「基本的には皆さん継続と聞いています。問題ありません」と事前に聞かされていた。 出勤している6名のパートさんから話を聞いた。全員が現在の働き方を継続したいという希望を持っていた。予算作成のためには労務費をある程度確定させる必要がある。僕はそれぞれのパートさんにどれくらい働きたいのか訊ねた。全員が「年収の壁ギリギリまで働きたい」意向。年収の壁を越えて、たくさん働きたいという人はいなかった。メインは旦那の収入。「では年間で103万円を切るよ
一般向けの家庭用米の価格高騰が話題になっているけど、業務用米の価格も高騰している。上がり方は業務用米の方がエグいかもしれない。交渉決裂で代替ルートを見つけるといっても、トン単位の米を確保するのが難しいことをコメ業者は分かっているため強気に出てくるからだ。僕は食品会社に勤めている。関東エリアを中心に展開している中小企業だ。大きな食品系企業に比べれば全然少ないけれど、それでも相応の量の業務用米を取り扱っている。 業務用米は、メインの米業者と独占契約しており、使用量のだいたい7割程度はカバーできている。残り3割を5社でカバーしているような状況だ。各社にはグレード別に国産のブレンド米をお願いしている。値段は昨年の夏前から上がり続けている。当初は「新米が流通しはじめる秋になれば価格は落ち着く」と説明を受けてきた。報道でも伝えられたとおりだ。だからスーパーで一般向けの米が品薄になっても慌てずに秋を待っ
僕は食品会社に勤める営業部長だ。まだ給食営業の仕事も続けている。昨年12月頭に、得意先の紹介でとある静岡県のメーカーE社の社員食堂の案件が飛び込んできた。E社は現在委託している給食会社が一年間で三回も値上げを打診してきたのをきっかけに交渉が決裂、4月から運営してくれる会社を探しているという。取引先の手前、絶対にしくじってはいけない案件だった。E社の担当者との初めての面談で3社に声がけしたと伝えられた。僕は、70食程度の小さい社員食堂とはいっても年末年始が入るので時間がないこと、提案や試食等の選定を急ピッチで進める必要があること、取引確認や調査は先行して勧めてほしいことを依頼した。 で、順調に企画提案とプレゼンをクリアして最終候補の1社に残り、試食会を実施する段階になった。担当者は「最終確認です」と言った。担当者からは6名参加と告げられた。「飾ることなく普通に社員食堂で提供される内容の食事」
フジテレビの社員向け説明会が紛糾していた。会社や上層部への不満が爆発したようだ。会社愛の強い人が多いようだ。微笑ましいが、外から見ていると会社や上層部を信用しすぎではなかったの?と心配になる。かつて僕が勤めていた会社がそうだったように、上役の関与した成功体験が大きく、現在の企業の礎になっていると、それが現代に通用しているのかをチェックすることなく、盲信してしまうものだ。「信用するな」ということではなく、「信用しすぎるのもどうなの?」という話だ。 普段から疑いの目を持ち続けることの大切さを、フジテレビのような一流企業に勤めている人なら理屈では分かっているはずだ。だが、人間は実際に経験したことからしか学ばないという面もある。僕は、会社や上層部を信頼・信用しすぎてはいけないということを実体験で学んだ。当時はムカついたけれども、疑いの目を持つことができて、今は感謝している。20数年前、新卒で入社し
『教えて!からあげ先生 はじめての生成AI』(からあげ (著), いまがわ (著), ずっきー (著))を読んだ(ご恵贈ありがとうございます!)。からあげ先生(id:karaage)は、気鋭のデータサイエンティストと世間では認識されているようだが、僕にとっては数少ないブログ友達の一人である。実は、数か月前にからあげ先生から新著を出す旨のメッセージで受けておりました。唐突に「漫画本を出します」とおっしゃるので「すごいね!漫画を書くんだ」と返したら「いえ。自分が漫画のキャラクターになります」と本気なのか冗談なのかわからない回答が返ってきた。なるへそ。当時、仕事が忙しかったので、そのままスマホをそっ閉じしたのを昨日のことのように記憶している。実際の書籍を開いたらホントにからあげ先生がドラえもんポジションの主人公キャラになっていた。どのように作中に登場するのかと思ったら、登場人物の自宅に突然登場。
今は亡き上司の言葉をまとめてみました。久しぶりなので入門者にもわかりやすい「オールタイムベスト」と、昨年発掘された手帳に記録されたものからセレクトした「発掘品」で構成されてます。激動の令和を生き抜くヒントにしてもらいたい。 【オールタイムベスト】 ・「刺身が生なんだが……」刺身に対する熱いクレーム。 ・「妻の配偶者が死んだ……」斬新な欠勤理由。人間て想定外の事態に遭遇したとき「お前や」のひとことが出ないものですね。その後無事に離婚されました。 ・「俺はチャンスをピンチに変える男だ…」やめてくれ ・「腹を切って話し合いましょうや」本音で話そうの意らしいがなぜか切腹ハラスメントを強要される。そういえば上司は三波春夫と三島由紀夫が好きでした。 ・「強いていえば、人間の業…ですかね…」クライアントからトラブルの原因を質問されたときのひとこと。汎用性が高すぎる言葉です。 ・「最後に…私事になりますが
食品会社の営業部長だが、ときどき、管理業務も任されている。つか、やらされている。契約違反ではなかろうか。今月に入ってから年末をもって契約満了となる事業を任されることになった。年末で終わる仕事を今さら?嫌な予感しかない。契約満了となるのはオーナーと委託契約を結び当社が運営しているレストランである。長年契約更新してきたが、3ヶ月前にオーナーから契約満了(更新の意思なし)を伝えられた。食堂は一旦クローズして、工事期間を経て数ヶ月後にリニューアルする予定。リニューアルを機に業態を変えるので当社はお役御免となった。契約満了の事業終了。そこに怨念はない。 とはいっても絡んでいる人はいる。現場で働くスタッフだ。社員数名とパートは十数名。社員は年明けから異動が決定。パートは雇い止めになるけど異動先の紹介で対応。うまくいっていると聞いていたが僕の出番になった。何かが起きている。会社上層部の「トラブルが発生し
両親と僕と弟の家族四人で撮った写真は一枚しかない。1980年(昭和55年)に油壷マリンパークのフォトスポットでカメラマンに撮ってもらったものだ。写真は今も実家の母の寝室に飾ってある。カメラと家族が壊れていたわけではない。スマホやデジカメはなかった。今のように気軽に写真を撮る時代ではなかったのだ。1980年代、父は仕事が忙しかった。平日は朝早く出て行って夜遅くまで働いていたので、顔を合わせることはめったになかった。今も思い出すのは、夜、布団のなかでうとうとしながら聞いた父の運転する日産サニーカリフォルニアの「ぷすぷすぷす」というエンジン音。家族で泊まりの旅行に出かけたのは三回。1980年代前半に伊豆方面に二回、90年代、父が亡くなる直前の京都旅行。旅行の写真が残っている。父はカメラを持ち歩いていたが、風景写真が多く、家族の写真はあっても四人一緒に撮影したものはなかった。父は生前デザイナーとし
僕は食品会社の営業部長。某NPO法人との商談はクライマックスを迎えた。相手は代表者Aと副代表者Bである。先方の本部を訪れて面談室に通され、いよいよ見積書の提示である。そのNPOは生活に困窮している人に食事を無償提供する事業を行っていた。「私たちに出来ることは温かい食事を提供することぐらいです。正直、厳しいですが私たちを待っている人たちのために頑張りたいです」「ご協力いただける企業様には感謝しかありません」とABブラザーズは言うと、事業の意義を僕に伝えた。確かに、この世知辛い世の中で素晴らしい事業を行っていた。特に感想はなかったが感想を求めるような顔で圧をかけてくるので「感銘を受けました」とひとこと感想を述べた。 で、見積書の提示である。当該NPOの事業で使用する食材なので、出来るかぎりの金額を提示させていただいた。一昔前の言い回しなら「勉強させていただいた」金額である。見積額を見たABブラ
食品会社の営業部長という仕事をしているわけだが、中小企業の悲哀といいますか、営業以外の仕事もぽちぽちやらなければならない。任されるのは本業の食品事業ではなく、その他もろもろの事業である。そのなかに飲食店等のコンサルティング事業がある。個人営業の飲食店に対するコンサル・アドバイスを行っており、僕も営業の立場でかかわった案件にヘルプとして携わっているというわけである。なお、このヘルプにおいて発生するのは責任だけであり手当等はなく、また本業である営業にマイナスが出ても自己責任とされている。搾取である。クソが。今、僕が頭脳の一グラムほどを悩ませている案件がある。この苦悩を公開することで発散したい。 悩みのもとは県内のとある個人経営の洋食店である。経営自体は悪くはない。オーナーが当社に依頼してきたのは衛生面の不安と労務管理の改善であった。衛生面は改善に向けてやることが決まっているのでパッケージを入れ
僕はフミコフミオ。食品会社の営業部長だ。年末のこの時期は歳末商戦セールスの終盤で大忙しなのだけれども、今年は少し様子が違っている。クライアントへの物価高騰対応のための値上げ申請が加わって追われている。ほぼすべての原材料のコストが上がっているので、たとえば原価が高い商品の生産を調整して他のコストのかからない商品をあてるといった企業努力ができず、クライアントにお願いをしているのである。申し入れに対して「企業努力でなんとかしてください」「他の会社さんに切り替えますよ」という冷血な企業は圧倒的に少なくて助かっている。だいたいが「仕方ないっすねー」みたいな感じで値上げ幅を少なくする着地点妥協点を話し合いで見つける流れになる。助かっている。結論からいえば日本人は気分とムードなのだ。仕方ないっすねーがついつい口をついて出てしまうほど、メディアが連日値上げを連呼してくれているから、「値上げヤバい」な気分と
僕は食品会社の営業部長だ。会社の規模は中小である。最近、実感していることがある。それは、どれだけ政府や社会が「下請けイジメはノー」といっても、下請けに対する圧力はなくならず、一歩進んでビジネスパートナーとして扱われることなど夢のまた夢ということ。こんなふうに考えているのは、下請け風情がビジネスパートナーと錯覚するほど惨めなものはないと思わされる出来事があったからだ。 先日、社内でお得意様M社との値上げ交渉について盛り上がっていた。M社は30年以上社員食堂受託運営契約を継続してきた取引先で、一部上場の超大手企業だ。僕は転職でやってきたときからM社のような一流企業がなぜウチのような小さい会社と長年取引をしているのか不思議だった。会社上層部や古参社員から「当社のサービスが長年にわたって評価されているから」という説明を聞かされても謎は深まるばかり。サービスが評価されているのなら、相応の金額で契約し
僕は食品会社の営業部長。先日、部下から相談を受けた。既存クライアントとの新プロジェクトで問題が起きているという。すでに具体的な提案を提示する段階にある案件だ。「納期がやばいです」と部下は説明した。なぜやばいのか。理解に苦しんだ。難しい案件ではないからだ。類似案件の実績が多数ある、楽勝な案件だと評価していたからだ。企画部の主任(女性)がプロジェクトリーダーとなって辣腕をふるっていると聞いていたが、部下によれば彼女の存在証明が進捗を阻んでいるらしい。意味がわからない。 驚いた。企画部主任が、既存のノウハウを活用すればいいところを、ゼロから仕事を組み立てていたからだ。もちろん、一つ一つの仕事に全力を尽くすことは良いことである。しかし、ケースバイケースだ。当案件のように、クライアントから「前回と同じような仕事」を求められ、そして相応の金額しか支払われていない仕事では過去の実績を活用してうまくこなす
先日、某取引先との価格交渉において先方より解約通知を受けた。心よりお呪い申し上げます。最近「食材高騰」という言葉が一人歩きしておりますので、今回、営業担当をさせていただいた立場からまとめを残しておきたい。この記事が食材高騰に悩むすべての方にとって役にたつものとなることを心から願っている。営業という仕事の持つ底力のしょぼさ、相手に情報を正しく発信し続けたところで聞く耳を持っていなければ何の意味もないという無力感、「価格転嫁なんて綺麗事だよね」というリアルについて少しでもご理解が深まるきっかけになれば幸いである。 僕の勤める会社では、本業の食品事業のほかに給食事業も行っている。その給食事業で昨今の食材費高騰が直撃している。特に深刻なのは米の仕入れ価格の大幅な値上げである。10月からの仕入れ価格は平均すると春先の納品価格の160%程度。経営努力はしているが、米は主食なので使用量を減らすことは難し
体調不良で休職していた東海営業所の責任者が退職することになった。東海営業所は新設された拠点のため軌道に乗っていない。会社上層部が立てた対前年売上400%という無謀な目標の達成は絶望的である。このように課題は山積みなうえ、後任の目途は立っていない。後任は、上役にあたる担当役員が代行すればいいのだが、金融機関からやってきて定年を待つだけの無気力な人間がわざわざ火中の栗を拾うはずがなく、アチアチの栗を水面下で僕に投げつけたきたのは数週間前のことである。「まず君の顔が浮かんだ」「君しかいない」「他の人には断られている」「誰もやりたがらない」「君なら難局を乗り越えられる」「営業部長は楽な仕事で物足りないだろ」「やりがいが欲しくないか」数々の矛盾した言葉、人の気持ちを逆なでする言葉で、僕の心を揺さぶろうとした。パンチを喰らったボクサーのように脳が揺れていたのは担当役員の方であった。僕は生活のために仕事
25年前、僕は二十代の若者で、仕事に追われる日々を送っていた。誇張抜きに実家と職場を往復するだけの毎日。自宅の近くに幼稚園バスが送迎にやってくる場所があって、僕は毎朝、バスを待つ親子と目を合わさないようにして通り過ぎていた。ある日、バスを待つ親子のなかに男の子と一緒にいるマユミちゃんの姿を見つけた。彼女は幼馴染で、小学校最後の二年間は同じクラスだった。草野球やドッジボールも一緒にやった仲のいい友達のひとりだ。男の子は彼女の子供らしい。1985年、小学六年の夏、僕は彼女と幻の湖をさがす旅に出た。僕らが暮らす町は山と海に囲まれていて、あの山の向こうに誰も知らない湖がある、というマユミちゃんの言葉を信じて、僕と彼女とその他二人(誰だか忘れた)はお菓子と水筒を入れたリュックサックを背負って湖を目指した。マユミちゃんは小さい頃からいつも僕より前を歩こうとしていた。僕はそれが気に入らなくて、いつも彼女
僕は食品会社(中小企業)の営業部長、相変わらず現場の人手不足は深刻で、僕もシフトの穴を埋めるためにパートさんと混じって惣菜工場で働いている。今月末までは週2日、年末になると週5日は惣菜工場で稲荷ずしをつくることになりそうだ。営業部長なのに…。なぜこんなことになったのか。理由は二つ。ひとつは、人手不足状況下で人材確保のためにパートスタッフの時給を上げたこともあって、早期に「年収の壁」に達するパートスタッフが増えたからだ。彼らが出勤日数と勤務時間を抑制しはじめたため、シフトが埋まらなくなったからだ。(パートさんの代わりに現場で働いたら「壁」の存在に気付いた。 - Everything you've ever Dreamed) もうひとつは、年末の壁が近づいてきたから。これまでは背に腹は変えられず、パートさん達に頼み込んで無理に出勤してもらっていたが、年末に向けて、勤務日数と時間を抑制するシフト
超合理的! ミステリーの書き方 (幻冬舎新書) 作者:中山七里 幻冬舎 Amazon 会社勤めを愛し、会社に裏切られ、会社勤めを憎んだ。家族に退職を切り出しても「辞めてもいいけど今以上の収入を確保せよ」と諭され、逃げ道がなくなった。能力や特技もない。若さと気力は失われて久しい。50歳で、今から転職するのもダルい。そんなふうに人生に諦めていたところ、ミステリー作家中山七里先生の『超合理的!ミステリーの書き方』(中山七里)が目にとまった。帯には『個性や才能は不要』とある。つまりこの本を読んで紹介されている方法を実践すれば小説が書けて収入が得られて会社勤めを辞められるというわけである。 中山七里先生のデビューが50歳前で、今の僕とほぼ同じ年齢であったこともプラスになって、すがるように一気読みをしたのだが、凄い本だった。自費出版を趣味としているように本書はあくまでプロの小説家になる方法について述べ
僕は食品会社の営業部長。会社の規模は中小企業だ。新規開発営業が僕の仕事だが、人不足のためときどき食品工場(惣菜工場)に入って、パートさんと一緒に働いている。実際にパパートさん(全員が主婦である)と働いていると、103万や130万といった「年収の壁」が話題にあがる。「年収の壁」とはその額をこえると税金がかかる、社会保険に加入になるという限度額のことだ。1円でも超えたら手取りが減ってしまうから、パートさんたちは年収が壁の手前で抑えるのだ。 現場の声をきいてわかったのは、「壁があるから働けない」という人より、「できることなら働きたくない」と考えている人の多さだ。「旦那の稼ぎの不足分を補いたいだけ」「昼間空いている時間を有効活用している」という声だ。言いかえれば、壁を働かない理由にしているのだ。だから、政治家が年収の壁の撤廃を主張していても半分の人の指示しか得られないだろう。慢性的な人不足に悩まさ
上司が部下の面倒を見るのは仕事だ。だからたいていの事は仕事と割り切ればいい。しかしながら、部下が「面倒をみてもらった」という自覚をまったくもたないモンスターだと虚しさに襲われ心身に負荷がかかる。どうやら僕はそのようなモンスターを部下に持ってしまったらしく、ストレスで血便ダラダラである。死ぬ。僕が尻から流血している原因は社内抗争にある。人材不足の我が営業部は、会社上層部からの推薦で他部署から有望な人材を受け入れた。前々から知っている人物でひとつひとつ仕事を丁寧に進めていくので「一歩」というあだ名で呼ばれていた。数か月の付き合いだが、仕事ぶりはよくも悪くも目立たないが、真面目にやってくれている。まさかこの一歩氏が会社上層部から送り込まれた刺客だったとはね。 先週金曜日、「O社から内定をいただきました」と一歩君から報告を受けた。一歩君を担当に進めてきた案件だった。吉報を受けて、上層部の前期高齢者
僕は、数年前まで給食会社に勤めていた。営業職だ。残念ながら、今も、給食とは完全に縁が切れていない。現在勤めている食品会社にも給食部門があるからだ。ただ、給食部門からヘルプがあるとき以外は関わらないので、給食の営業マンとしては半分引退状態になっている。転職した理由のひとつは給食に嫌気が差したからなのに、給食と離れられない。腐れ縁である。 先日、前職の同僚から連絡を受けた。「こういうときはどうしたらいいのですか」という相談である。話の内容はクソすぎた。僕が給食から離れたいと思った原因の原液のような内容。給食というと、一般的には学校や保育園の給食をイメージする人が多いが、僕が主に携わっていたのは、社員食堂の給食事業だった。ほとんどのクライアントは良心的であったけれども、いくつかのクライアントはわかりやすく給食会社を見下していた。まあ、見下してくるのは、たいてい大企業。給食事業というのは、労働力集
僕は食品会社(中小)の営業部長。僕が勤めている会社は、メイン事業は業務用食材の製造販売で、他に給食事業や各代理店事業を行っている。現在、給食事業以外は堅調である。なぜ、給食事業が不振を極めているのか。「食材の高騰や労務費の上昇で収益が悪化しているからかしら?」と外野から眺めていたけれども、違った。事業計画を愚直に遂行していることが原因だった。で、誰がそんな計画を立てているのか、その背景を知って軽く絶望したというのが今回の話。 数年前まで給食事業は堅調だった。収益も、ここ数か月の急激な食材高騰がどかーん!と直撃するまではまあまあ。先述のとおり、給食事業はサブ事業であり、積極的に拡大しない無理のない方針が功を奏していた。給食事業は労働力集約型である。人がいてナンボの仕事だ。ここ数年の人材確保の困難をウチの給食事業は、積極的でない方針でかわしていた(人を必要としなかった)。方針が変わったのは数年
僕は食品会社の営業部長。僕が勤めている会社では給食事業も行っている。一般の人はまったく知らないと思われるが、現在(僕の観測範囲になってしまうが)、給食業界では給食会社からの契約解除が増えている。20年ほどこの業界に関わっているが、こんな事態は初めてだ。理由は《不採算事業所の整理》《人材不足による事業所の集約》《物流ルートの縮小》あたりだろうか。病院や老人ホーム、社員食堂では食事提供が当たり前とされている。欠食など論外である。たとえば病院で治療食の提供が止まったら……想像するだけで恐ろしい。話は逸れるが、給食業界では給食の現場では利益が出しにくいので、食材や配食で利益を出す方向にシフトしつつある。シダックスがオイシックスに身売りしたのもその動きだろう。現場で人を確保して給食提供するよりも、食品工場で食材を生産したほうが効率的な経営ができるからだ。 業者(給食会社)が契約解除で撤退すれば、速や
僕は食品会社(中小企業)の営業部長。最近営業先から「現在取引している業者と解約するから相談に乗ってほしい」という問い合わせを受ける機会が増えた。この手の話のほとんどは食品分野のなかでも「給食事業」である。話の内容もほぼ一緒。業者から人件費と食材の高騰を理由に突然値上げ交渉をしてきて、それに応じなかったら契約上の解約条項に則って契約解除の申し入れをしてきた、というもの。契約上は何も問題はない。だが、「長年関係を築き上げてきたのに」「こちらだって予算がある。いきなりの値上げには応じられない。そんなことはわかっているはずだ」という感情のしこりが「ありえない」「許せない」という怒りに変化していた。そして相談のはずが現業者の悪口のオンパレードを聞かされるはめになる。虚無になって「大変ですねー」「お察ししますー」と話を合わせるしかない。配偶者の愚痴を聞くときと同じである。 僕は、こういうケースでは出来
僕は食品会社(中小企業)の営業部長だ。神奈川県に大雨被害が出た日、「どうせ営業はサボっているにちがいない」という先入観を持った会社上層部の命令で、出勤できなくなったパートさんの代わりとして、ヘルプで惣菜工場の現場に入り粛々とお稲荷さんを作った。休憩時間、最低賃金の話になった。パートさんは主婦たちである。昼の時間帯、パートとして働いている。「神奈川県の最低賃金はすごいよね(10月から1,162円)」「昔だったら考えられない」等々。僕が勤めている会社はパート人材確保と定着のために最低賃金より高めに時給を設定している。最低賃金が上がるとともに、時給も上がった。人材獲得競争に勝つためだ。フルで働いているパートさんには正社員への打診もしたが、社員を希望する人はわずかだったと話に聞いた。パートさん各々の働き方と家庭の事情があるからだろうと僕は考えていた。それは微妙に間違っていた。働けないのではなく働き
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