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スーダン内戦を背後で操るのは「金密輸ビジネス」で潤うロシアとUAEだ | クーリエ・ジャポン
2024年9月に訪米したアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザイド大統領(左)と、彼をを出迎えるバイデン米大統領。UAEはスーダンの金密輸ビジネスに深く関わっているPhoto: Tom Brenner/The New York Times

2024年9月に訪米したアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザイド大統領(左)と、彼をを出迎えるバイデン米大統領。UAEはスーダンの金密輸ビジネスに深く関わっている
Photo: Tom Brenner/The New York Times

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ニューヨーク・タイムズ(米国)

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Text by Declan Walsh

ロシアが拡大した「金ビジネス」


スーダンでは2023年4月から、スーダン国軍(SAF)と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との内戦が続く。

RSF司令官のモハメド・ハムダン・ダガロはラクダ販売業者から軍人に転身した人物だ。彼は2017年にスーダン有数の金鉱山のひとつを手に入れ、莫大な富と権力を獲得した。

RSFの司令官ダガロ。米政府は1月7日(現地時間)、RSFがジェノサイド(集団虐殺)をおこなったとして、ダガロに制裁を課すと発表した
Photo: Declan Walsh/The New York Times


国連の報告によれば、ダガロは金鉱山で得た利益を50社もの関連企業へ流し、その対価として武器と戦闘員を手に入れ、RSFを強力な軍事組織へと変えたという。自身の「帝国」を築いたダガロは、後に金鉱山をスーダン政府に2億ドル(約315億円)で売却し、さらに多くの武器と政治的影響力を手中にした。

だが彼の富と野心がSAFの不信を煽り、ついに内戦が起こる。これにより金をめぐる戦いも激化した。内戦が始まってすぐに、ダガロはスーダン政府に売却した金鉱山を襲撃して奪還した。政府側の発表によるとこの数週間後、RSFはハルツームの国立金精錬所にも攻め込み、1億5000万ドル(約236億円)相当の金塊を持ち去ったという。

SAFが戦う理由もやはり金だ。彼らはRSFの金鉱山を攻撃する一方、自分たちの支配地域では金の採掘に余念がない。採掘業の利権を握るのはロシアとアラブ首長国連邦(UAE)の企業だが、中国企業も食指を動かしているという。


こうした諸外国の関与が、スーダン内戦の戦況を複雑にしている。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は長年、自国企業にスーダンでの金採掘を奨励してきた。また、同国の準軍事組織ワグネル・グループは、内戦が起こる前から複数の反政府組織と協力関係にあった。
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