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2020年代は1990年代とはちがう
BBC の東京特派員ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズが書いた,日本についてのエッセイが広く話題になってる〔日本語版〕.ぼくも読んでみたけれど,ひどくいらいらしてしまった.このベテランジャーナリストは――2012年から日本に暮らして働いたすえに――日本の印象をまとめている.彼によれば,日本は停滞して硬直した国で,「ここに来て10年経って,日本のありようにもなじみ,次の点を受け入れるにいたった.日本は,変化しそうにない.」
でも,日本に暮らしたことがあって,2011年以降も年に1ヶ月間ほどここに来て過ごすのを繰り返してる人物として,そして,日本経済についてかなりの分量を書いてきた人物として言わせてもらえば,日本はまちがいなく様変わりしてる.すごく目につきやすくて重要なところがあれこれと変化している.
ただ,ウィングフィールド=ヘイズの記事が日本について誤解している点をまとめて解説するまえに,まず,次の点を言っておくべきだろう.彼に会ったことはないけれど,ウィングフィールド=ヘイズはいい人で,「日本に現状よりもよくなってほしい」と本心からのぞんでいるように思える.それに,彼が述べている批判のなかには,正確で重要な点もある.
たとえば,日本の根深い問題は老人支配だと言っているのはまったくもって正しい.
【続きはノア・スミス著『ウィーブが日本を救うーー日本大好きエコノミストの経済論』(日経BP)でご覧ください。】