ネットで虐待の標的にされていた…地域のアイドル猫が突然姿を消したワケ。捜索劇を取材
近年ではSNSで野良猫の写真を投稿する際、撮影場所の特定に繋がる情報が映り込まないよう十分に配慮したり、「#僕らの居場所は言わにゃいで」というハッシュタグが広がるなど、外で暮らす猫が悪意ある人間による被害に遭わないよう、配慮する人が徐々にですが増えています。
しかし、まだまだ十分であるとは言えず、人馴れした野良猫が苦しめられる事件も発生しています。そうした事件に巻き込まれそうになったのが、東京・台東区の商店街「谷中銀座」の“夕やけだんだん”という階段あたりにいつもいた、アイドル猫のメグちゃんです。
今年8月、夕やけだんだんから姿を消したメグちゃん。発見に至るまでのお話を、現在メグちゃんをお世話しているあづちゃんさんに聞きました。
※メグちゃんは現在、あづちゃんさんの自宅に保護されています。
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子猫の頃に姉妹で遺棄された、メグちゃん。自分より小さい姉妹をかばって、喉がガラガラになるまで鳴き続けていたところを保護され、猫が何匹か暮らす、夕やけだんだん近くの居酒屋にやってきました。
ところが、メグちゃんは甘えん坊な先住猫との関係に疲れたのか、6年ほど前から昼間は夕やけだんだんで過ごすように。
当初は日中に猫雑貨店で眠り、夜、お店へ帰る生活をおくっていましたが、人にかわいがられ、食べ物ももらえていたため、お店に帰ることが減り、地域猫のような存在になっていきました。
人懐っこいメグちゃんは観光客からも愛され、メディアで取り上げられるように。そんな姿を見守っていたのが、夕やけだんだんでお店を営む方たち。毎日、生存を確認し、ご飯をあげ、冬の寒い時期には寝床を用意したり、家に入れたりしていました。
また、居酒屋の常連客もメグちゃんを気にかけており、夜になるとお店に連れ帰り、首輪には名前と連絡先を入れ、なくなった場合にはすぐに装着するなどの配慮も行っていたのです。
メグちゃんの名付け親で、今回の行方不明事件に尽力したあづちゃんさんも、そうした配慮をしていました。
「実はメグ、2年ほど前に自転車で連れ去られたことがあります。目撃した人は犯人を追いかけましたが、逃げられてしまって……。でも、2日後には元の場所にいたので、何らかの手段で逃げてきたようでした」
そんな出来事があったため、今年の8月15日からメグちゃんの姿が見当たらなくなった際、とても不安になったといいます。
交番や保健所、清掃局に確認しに行きましたが、メグちゃんだと思える猫の届出はありませんでした。
「もしかしたら、前回の人に連れ去られたのではないかと思ったので、チラシをつくり、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターにアップ。前回、メグが連れ去られた方向にチラシを貼ったり、ポスティングしたりしました」
商店街で暮らすアイドル猫だったメグちゃん
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