ispaceは、月に向けて飛行中の「RESILIENCE」ランダーが2月15日午前7時43分(日本時間)に月表面から高度約8,400kmの地点を通過し、民間企業による商業用の月着陸船として史上初の「月フライバイ」に成功したと発表。さらに、高度14,439kmから撮影した月の写真を公開した。
月フライバイはispaceがめざしている、低エネルギー遷移軌道による深宇宙航行に移行するために重要なマイルストーン。目標通過点に対して数十kmの範囲にランダーを通過させるため、精密な軌道計画と運用が求められるという。
前回のミッション1で得た軌道制御の経験と実績により、民間月探査計画のミッション2「SMBC×HAKUTO-R VENTURE MOON」における月フライバイは初挑戦にして成功。これで10段階のマイルストーンのうち、サクセス5まで完了したことになる。
今後、RESILIENCE(レジリエンス)ランダーは予定通り低エネルギー遷移軌道を使って深宇宙を航行し、5月初旬には太陽の重力を使って月重力圏に到達、軌道投入を行う予定。
なお同社は公式X(Twitter)において、RESILIENCEランダーが1月25日に撮影した地球の写真(GIF形式)を公開済み。地球から約1万km離れたポイントから撮影したもので、世界の大洋で最も陸地から離れた(約2,700km)地点とされる「ポイント・ネモ」をとらえている。同アカウントでは現在、ミッション2を応援するファンの要望に応えるかたちで、同ランダーの所在を伝える「ランダーいまどこ」を不定期で投稿している。
今日も、RESILIENCEランダーは月を目指して順調に予定通りの軌道を周回しています!… pic.twitter.com/UyaHN1ONv0
— ispace_HAKUTO-R (@ispace_HAKUTO_R) January 29, 2025