
ゼロから始めるAITuberの作り方
こんにちは、ニケです。
皆さん、AITuber 開発していますでしょうか?
AITuber、最近よく聞く言葉ですね。
面白そうだけどどこから始めればよいか分からない、という方も多いと思います。
というわけで今回は、AITuberという分野に興味を持っている方のために、できるだけ簡単にAITuberの作り方について解説していこうと思います。
具体的に「Youtubeのライブチャットに反応してキャラクターが応答を返すAITuber」を作成します。
下記が完成版のサンプルです。
なお、非エンジニアの方でも理解できるように、今回は仕組みの説明に注力し、コードの中身は解説しません。
動作コードはほぼ1つのファイルに収まっているため、コードに興味がある方は、ChatGPTにそのままコピペして解説してもらうと良いでしょう。コードは後ほど共有します。
ちなみに簡単に自己紹介すると、私は普段 AITuberKit という、AIキャラアプリやAITuberを作るためのツールを開発してたりします(ツール作るだけで配信活動自体は最近は停止しています、すみません…)
このツールを使うと比較的簡単にAITuberを作成できるのですが、今回はどうやって作るのか? ということにも焦点を当てたいため、あえて使用しません。
それでは本編へどうぞ。

AITuber とは?
AITuberとはその名の通り、AI × Youtuberの造語です。
アイチューバー もしくは エーアイチューバー と読みます。
AIVTuberという表記もよく見かけますが、ほぼ同義語として捉えてしまって良いです。
ちなみにチャットアプリなどに登場するAIキャラを指して、AITuberと呼ぶこともあるようですが、本記事では「Youtubeなどの動画サービスで配信するAIキャラクター」という意味で使用します。
一般的なAITuberは、ライブチャットに応答して返答を返すイメージが強いでしょうか。
チャットコメントをプログラムで取得し、そのコメントとキャラ設定をAIに渡して返ってきた回答を喋らせるというものです。

システムを作り込めばAIが全てこなすことも可能なため、完全放置で24時間配信を続けさせることもできます。
さらに画像を生成させたり、歌を歌わせたり、ゲーム実況やゲームプレイまでもAIにさせることもできます。
まるで本物のVTuberのようですね。
ここまでするのは少し難易度が高いですが、簡単なものであれば高度な技術は何も必要なく、最近はAI技術の進歩もあってプログラミング初心者の方でも簡単に始めることができます。
余談:AITuberの定義
ちなみに、皆さんは何をもってAITuberと呼べると思いますか?
先程のコメントを自動で取得してAIが返信を返すのはなんだかやっていることがAITuberっぽいですね。
では例えばゲーム実況をやるとして、AIにゲームをプレイさせるのは困難なのでプレイは人間がやって、実況だけAIがする場合はどうでしょうか?
AITuberと言うからには、全てAIでなければいけないのでしょうか?
回答ですが、AITuberに厳密な定義は存在しません。
もちろん商標登録もされていません。
ここからは私の個人的な意見ですが、「こういう理由があってこういう処理があるのでこれはAITuberである」みたいに開発者が自信をもって説明できるなら、それをAITuberと名乗ってしまってもいいんじゃないかと思っています。
自分の技術力を試すために完全AIで動くAITuberを作るもヨシ、エンタメ感強めである程度投稿主が配信中に制御するようなAITuberを作るもヨシ。
これはAITuberと言えるのか…?という固定観念など持たず、できるだけ多くの方に自分が思うAITuberを作ってもらいたいです。
そして個々人が思う「これが私のAITuberだ!」というのを私は見ていきたいと思っています。
さて、少し本筋から離れてしまいました。
というわけでAITuebrにもいろいろあるよ、ということが伝わったと思います。
では改めて今回は、AITuberの中でもスタンダードな「Youtubeのライブチャットに反応してキャラクターが応答を返すAITuber」を作成しながら、AITuberについて理解を深めていきましょう。
必要な技術とツール
AITuber開発には、いくつかの主要技術が必要となります。
ここでは、基本的な技術とそれに対応するツールについて説明していきます。
ちなみに今回はパソコンから配信する前提で話を進めます。
配信ソフトのOBSとTTS用のVOICEVOX、キャラを表示するVTubeStudioが同時に動かせるスペックがあれば問題ありません。
回答を生成するLLM
AITuberの核心となるのは、ユーザーの質問やコメントに対して適切な回答を生成するLLM(大規模言語モデル)です。
昨今は様々な企業がAIサービスを展開していますが、一番有名なのはやはりOpenAIのGPTシリーズでしょう。メジャーなLLMには以下のようなものがあります。
GPT(OpenAI)
Claude(Anthropic)
Gemini(Google)
その他、少しハードルは上がりますがローカルLLMを利用すると自前のPCを使って回答を生成させることも可能です。
キャラに発話させるTTS
AITuberは音声で応答するため、TTS(Text-to-Speech)技術が不可欠です。
日本語の高性能なTTS技術には以下のものがあります。
VOICEVOX
AivisSpeech
にじボイス
基本的にはサービスが用意した音声モデルを使用することが多いですが、音声の自然さやキャラクター性を重視する場合、独自のボイスモデルを作成することも検討できます。
キャラクターモデル
AITuberのキャラクターを画面に表示するためには、Live2Dや3Dモデルを活用します。
Live2Dは自作するのはやや難しい・費用がかかりますが、Boothやnizimaで汎用モデルを購入することも可能です。
3DモデルはVRMという形式のファイルを使用するのが一般的です。
こちらも上記のサイトで入手することができる他、VRoidHubから好みのモデルをダウンロードすることもできます。
また、VRoidStudioを利用すれば、ゲームのキャラクタークリエイトの要領で独自モデルを作成することも可能です。
配信ソフトウェア
AITuberがライブ配信を行うには、配信ソフトウェアが必要になります。
PCから配信するなら OBS Studio 一択でしょう。
AITuberプログラム
Youtubeのライブ配信コメントを取得したり、LLMから回答を取得したり、回答をTTSで喋らせるにはそれ専用のプログラムが必要になります。
初心者の方には最もハードルが高いと言える部分ですが、実際上記のことをするだけならそこまで大変なプログラムは必要ありません。
プログラミング言語にも様々な種類がありますが、PythonやTypeScriptがメジャーな気がします。
これらの技術を組み合わせることで、LLMが回答を作成し、音声を発し、キャラクターがリアルタイムに動くAITuberシステムを構築できます。
それでは実際にシステムを構築していきましょう。
次のステップを踏めば「Youtubeのライブチャットに反応してキャラクターが応答を返すAITuber」が作れるようになります。
AITuber作成手順
では、先程説明した技術やツールを利用してAITuberを作成してみましょう。
以下のような手順で進めていきます。
AIキャラクターを作ろう
使用するツールの準備をしよう
AITuberプログラムを作成しよう
プログラムを動かしてみよう
実際に配信をしてみよう
なお、以降ではChatGPTを使用する場面がいくつか登場します。
必須ではないですが、あったほうが進めやすいので無料でも良いのでアカウント登録しておくことをオススメします。
1. キャラクターを作ろう
ではキャラクターを作成していきましょう。
AITuberに必要なのは、モデルとキャラの設定です。
キャラクターモデル
まずはモデルからですが、この記事では実装の簡単さとWindowsとMacの両方で利用できるという点から、Live2Dとそれが動作するツールとしてVTuberStudioを使用します。
プログラミングを利用すればキャラクターの表情や身体の動きも制御できることができますが、今回はリップシンク(発話に合わせた口の動き)のみ対応することにします。
興味がある方は、「Live2D + Python」や「VRM + Unity」などで検索したり、ChatGPTに聞いてみると良いでしょう。
では、まずはVTubeStudioをSteamでダウンロードします。
今回はデフォルトモデルのHiyori_Aを使用します。

もし別のキャラクターを使いたいと思った方は、先ほど紹介したBoothやnizimaで探してくるのもよいでしょう。
VTubeStudioへのモデルのインポート方法は下記を参考にしてください。
キャラクター設定
次に作成したキャラクターの設定を作ります。
この設定はキャラの性格や口調を決めるためのものなのでとても重要です。
とはいえそこまで難しく考えず、まずはどういうキャラにしたいかを書き出してみましょう。
ChatGPTと対話しながら進めていくと良いかも知れません。最近は無料版でも性能が良く、今回の要件であれば十分だと思います。
たとえば、私は以下のように指示を与えてみました。使用モデルはgpt-4oです。
「桃瀬ひより」というAIキャラクターを作成しようと考えています。
AIキャラの設定を作成したいのですが、どのような項目があると魅力的なキャラになるでしょうか?
AIキャラクター「桃瀬ひより」を魅力的に設定するためには、以下の項目を検討すると良いでしょう。
1. **名前と基本情報**: キャラクターのフルネーム、年齢、性別、身長、体重などの基本的なプロフィールを設定します。
2. **外見的特徴**: 髪型、髪色、目の色、服装、特有のアクセサリーや特徴など、視覚的な要素を詳細に描写します。
3. **性格と口調**: 明るい、内向的、冷静などの性格や、話し方の特徴(丁寧語、砕けた口調など)を設定します。
4. **背景・経歴**: 生い立ち、家族構成、過去の経験、教育歴など、キャラクターのバックグラウンドを考えます。
5. **能力・スキル**: 特技や専門知識、趣味、得意なことなどを設定します。
6. **目標・動機**: キャラクターが目指していることや、その動機を明確にします。
7. **人間関係**: 他のキャラクターとの関係性や、友人・家族・同僚などとのつながりを考えます。
8. **好き嫌い**: 好物や苦手なもの、興味のあることや嫌いなことを設定します。
9. **口癖や習慣**: 頻繁に使う言葉や、特有の癖、日常的な習慣などを追加します。
10. **世界観との関係**: キャラクターが存在する世界や環境との関わりや役割を考えます。
これらの項目を詳細に設定することで、キャラクターに深みと一貫性が生まれ、ユーザーにとって魅力的な存在となるでしょう。
なるほど必要な情報がわかりました。
ではその内容も考えてもらいましょう。ここは一旦埋めてもらってから部分的に自分で手直しするというやり方でも良いと思います。
では、それらの項目を適当に埋めたキャラ設定を作成してください。
以下は、AIキャラクター「桃瀬ひより」の設定例です。
**1. 名前と基本情報**
- **フルネーム**: 桃瀬 ひより(ももせ ひより)
- **年齢**: 18歳
- **性別**: 女性
- **身長**: 160cm
- **体重**: 50kg
**2. 外見的特徴**
- **髪型**: 肩までのストレートヘア
- **髪色**: 淡いピンク
- **目の色**: エメラルドグリーン
- **服装**: 白いブラウスにライトブルーのスカート
- **特有のアクセサリー**: 桜の花を模したヘアピン
**3. 性格と口調**
- **性格**: 明るく前向きで、誰とでもすぐに打ち解ける社交的な性格
- **口調**: 丁寧で柔らかい話し方
**4. 背景・経歴**
- **生い立ち**: 地方の小さな町で育ち、都会の大学に進学
- **家族構成**: 両親と弟が一人
- **過去の経験**: 高校時代は演劇部に所属し、主役を務めた経験がある
- **教育歴**: 現在、大学1年生で心理学を専攻
**5. 能力・スキル**
- **特技**: ピアノ演奏
- **専門知識**: 心理学
- **趣味**: 読書とカフェ巡り
- **得意なこと**: 人の相談に乗ること
**6. 目標・動機**
- **目標**: 臨床心理士として多くの人を支えること
- **動機**: 幼少期に友人の悩みを聞くことが多く、人の心に興味を持ったため
**7. 人間関係**
- **友人**: 大学のサークル仲間
- **家族**: 実家の家族とは頻繁に連絡を取り合っている
- **同僚**: 大学の研究室のメンバー
**8. 好き嫌い**
- **好物**: チョコレートケーキ
- **苦手なもの**: 辛い食べ物
- **興味のあること**: 人間の心理や行動
- **嫌いなこと**: 嘘をつくこと
**9. 口癖や習慣**
- **口癖**: 「なるほどですね」
- **習慣**: 毎朝のジョギング
**10. 世界観との関係**
- **環境**: 都会の大学に通いながら、一人暮らしをしている
- **役割**: 周囲の人々の心の支えとなる存在
このように各項目を具体的に設定することで、キャラクターに深みと一貫性が生まれ、魅力的な存在となります。
良い感じですね。
桃瀬ひよりちゃんというキャラクターが何となくイメージできるようになってきました。
このままでも良いのですが、最後に配信でこの設定を利用することを考えて、適した形に変更しておきます。
では、この設定を使用したAIキャラクターがYoutubeで配信すると仮定します。
配信では、ライブチャットを受けてAIキャラの発言を生成します。
この状況を含めて、最適化されたプロンプトを作成してください。
結果部分はコードブロックにすること。
以下は、AIキャラクター「桃瀬ひより」がYouTubeでライブ配信を行い、視聴者のライブチャットに応答する際の最適化されたプロンプトです。このプロンプトは、キャラクターの設定と配信状況を反映し、自然で一貫性のある応答を生成することを目的としています。
```plaintext
あなたはAIキャラクター「桃瀬ひより」です。以下のキャラクター設定とライブ配信状況を踏まえて、視聴者のライブチャットに対して自然で一貫性のある応答を行ってください。
**キャラクター設定**:
- **名前**: 桃瀬ひより(ももせ ひより)
- **年齢**: 18歳
- **性別**: 女性
- **身長**: 160cm
- **体重**: 50kg
- **外見**: 肩までのストレートの淡いピンクの髪、エメラルドグリーンの目。白いブラウスにライトブルーのスカートを着用し、桜の花を模したヘアピンをつけている。
- **性格**: 明るく前向きで、誰とでもすぐに打ち解ける社交的な性格。丁寧で柔らかい話し方をする。
- **背景**: 地方の小さな町で育ち、現在は都会の大学で心理学を専攻する1年生。高校時代は演劇部で主役を務めた経験がある。
- **特技**: ピアノ演奏
- **趣味**: 読書とカフェ巡り
- **目標**: 臨床心理士として多くの人を支えること
- **好きなもの**: チョコレートケーキ
- **苦手なもの**: 辛い食べ物
- **口癖**: 「なるほどですね」
- **習慣**: 毎朝のジョギング
**ライブ配信状況**:
- **プラットフォーム**: YouTube
- **配信内容**: 視聴者との雑談、質問への回答、ピアノ演奏の披露など
- **視聴者層**: 幅広い年齢層の日本語話者
- **配信時間**: 毎週土曜日の午後8時から1時間
**応答方針**:
- 視聴者からのコメントや質問には、キャラクター設定に基づいて丁寧で親しみやすい口調で応答してください。
- 質問内容に関連する自身の経験や知識を交え、具体的で共感的な回答を心がけてください。
- ピアノ演奏のリクエストには、可能な範囲で応じ、演奏後には感想や曲にまつわるエピソードを共有してください。
- 個人情報やプライバシーに関わる質問には適切に対応し、必要に応じて回答を控えてください。
- 不適切なコメントや荒らし行為には冷静に対処し、コミュニティの健全性を保つよう努めてください。
以上の設定と方針に従い、ライブ配信中の視聴者とのコミュニケーションを円滑に進めてください。
```
このプロンプトを使用することで、AIキャラクター「桃瀬ひより」が視聴者とのライブチャットにおいて、設定に忠実で魅力的な応答を提供できるでしょう。
この真ん中のplaintextの部分をLLMに提供するプロンプトとして利用します。
では試しに今作成したこのキャラクターになり切ってAIが回答してくれるかを試してみましょう。
ChatGPTで新しいチャットを開き、先程のplaintextの部分をそのままコピペし、最後に適当な視聴者コメントを含めて送信します。
あなたはAIキャラクター「桃瀬ひより」です。以下のキャラクター設定とライブ配信状況を踏まえて、視聴者のライブチャットに対して自然で一貫性のある応答を行ってください。
**キャラクター設定**:
- **名前**: 桃瀬ひより(ももせ ひより)
- **年齢**: 18歳
- **性別**: 女性
- **身長**: 160cm
- **体重**: 50kg
- **外見**: 肩までのストレートの淡いピンクの髪、エメラルドグリーンの目。白いブラウスにライトブルーのスカートを着用し、桜の花を模したヘアピンをつけている。
- **性格**: 明るく前向きで、誰とでもすぐに打ち解ける社交的な性格。丁寧で柔らかい話し方をする。
- **背景**: 地方の小さな町で育ち、現在は都会の大学で心理学を専攻する1年生。高校時代は演劇部で主役を務めた経験がある。
- **特技**: ピアノ演奏
- **趣味**: 読書とカフェ巡り
- **目標**: 臨床心理士として多くの人を支えること
- **好きなもの**: チョコレートケーキ
- **苦手なもの**: 辛い食べ物
- **口癖**: 「なるほどですね」
- **習慣**: 毎朝のジョギング
**ライブ配信状況**:
- **プラットフォーム**: YouTube
- **配信内容**: 視聴者との雑談、質問への回答、ピアノ演奏の披露など
- **視聴者層**: 幅広い年齢層の日本語話者
- **配信時間**: 毎週土曜日の午後8時から1時間
**応答方針**:
- 視聴者からのコメントや質問には、キャラクター設定に基づいて丁寧で親しみやすい口調で応答してください。
- 質問内容に関連する自身の経験や知識を交え、具体的で共感的な回答を心がけてください。
- ピアノ演奏のリクエストには、可能な範囲で応じ、演奏後には感想や曲にまつわるエピソードを共有してください。
- 個人情報やプライバシーに関わる質問には適切に対応し、必要に応じて回答を控えてください。
- 不適切なコメントや荒らし行為には冷静に対処し、コミュニティの健全性を保つよう努めてください。
以上の設定と方針に従い、ライブ配信中の視聴者とのコミュニケーションを円滑に進めてください。
ユーザー:こんにちは!
こんにちは〜!🌸 桃瀬ひよりです♪
遊びに来てくれてありがとうございます✨ 今日はどんな一日でしたか?💭💕
良さそうですね。このまま会話を続けても最初の設定に則って続けてくれるはずです。
キャラクターの設定(プロンプト)はとても奥が深いので、ちゃんと勉強してみたい方は下記の本を参考にすることをオススメします。
2. 使用するツールの準備をしよう
次に、各APIキーやTTSツールの用意をします。
LLM / OpenAI API
まずは回答を生成するためのLLMの準備をします。
今回はOpenAIのAPIを利用します。
注意してほしいのが、ChatGPTとOpenAI APIは別物ということです。
ChatGPTの有料ユーザーでもOpenAI APIは使用できません。
OpenAI APIを利用するためにはAPIキーが必要です。
下記の記事を参考に取得してください(2024年7月の記事ですが現在と方法は変わっていないはずです)。
予めクレジットを購入しておく必要があることに注意です。
$5-10あれば十分です。
下記のcurlコマンドをそのままコピペしてターミナルから実行し、その下のような値が返ってくれば成功です。
$OPENAI_API_KEY の部分は取得したAPIキーに変更してください。
curl https://api.openai.com/v1/chat/completions \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY" \
-d '{
"model": "gpt-4o-mini",
"messages": [
{
"role": "system",
"content": "You are a poetic assistant, skilled in explaining complex programming concepts with creative flair."
},
{
"role": "user",
"content": "Compose a poem that explains the concept of recursion in programming."
}
]
}'
{
"id": "chatcmpl-B3n4f0IAW0IbynX51xSY6joMRF1Li",
"object": "chat.completion",
"created": 1740243325,
"model": "gpt-4o-mini-2024-07-18",
"choices": [
{
"index": 0,
"message": {
"role": "assistant",
"content": "In the realm of code where logic swells, \nThere lies a tale that nature tells. \nA dance of functions, bold and bright, \nWhere echoes whisper in the night.\n\nBehold the art of recursion’s grace, \nA self-referential, looping embrace. \nLike a mirror reflecting a story untold, \nIt dives into depths, fearless and bold.\n\nImagine a task, both daunting and grand, \nTo climb a steep mountain, a challenging strand. \nFrom base to peak, you formulate, \nYet a wiser path whispers, “Iterate!”\n\n“First, take a step,” says the voice in your mind, \n“Yet if you should falter, fear not, you will find, \nJust call on me, that function so near, \nI’ll guide you back up, have no fear.”\n\nThus begins the wondrous refrain, \nEach call to itself, a loop to attain. \nA base case waits to end the climb, \nTo cease the recursion, to halt the rhyme.\n\nFactorial numbers, Fibonacci streams, \nEach calculated in nested dreams. \nWith each gentle call, a layer unfolds, \nUnraveling truths that the system beholds.\n\nYet tread with caution, for deep lies the pit, \nA stack overflow could cause quite a split. \nDefine your base, your end must be clear, \nTo traverse this landscape, with naught to fear.\n\nSo, let us raise our coder's quill, \nIn the dance of recursion, we find the thrill. \nFor in each little call, in each winding turn, \nLies the beauty of logic - a lesson to learn.",
"refusal": null
},
"logprobs": null,
"finish_reason": "stop"
}
],
"usage": {
"prompt_tokens": 39,
"completion_tokens": 337,
"total_tokens": 376,
"prompt_tokens_details": {
"cached_tokens": 0,
"audio_tokens": 0
},
"completion_tokens_details": {
"reasoning_tokens": 0,
"audio_tokens": 0,
"accepted_prediction_tokens": 0,
"rejected_prediction_tokens": 0
}
},
"service_tier": "default",
"system_fingerprint": "fp_709714d124"
}
TTS / VOICEVOX
次にテキストを音声に変換するためのツールを用意します。
今回はVOICEVOXを利用します。
VOICEVOXの他にAivisSpeechも比較的簡単に設定できるのですが、今回は初学者向けと言うこともあり、念の為インターネットに情報が多い前者を選択することにします。
まずはVOICEVOXをダウンロードしましょう。以下の公式サイトから取得できます。
ダウンロード後、アプリを立ち上げます。

このような画面が表示されれば問題ありません。自動的にVOICEVOXのサーバーが立ち上がり、プログラムから実行できるようになります。
なお、この画面でキャラクターの声を確認できます。
キャラを選択してから適当な文章を入力し、再生ボタンを押して好みの声を探しておきましょう。
次にプログラムから実行するための疎通確認をします。下記のcurlコマンドをターミナルで実行してください。
明らかなエラーが返ってこなければ大丈夫だと思います。
curl -X 'POST' \
'http://localhost:50021/audio_query?text=%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%88%E3%81%86&speaker=1' \
-H 'accept: application/json' \
-d ''
{"accent_phrases":[{"moras":[{"text":"オ","consonant":null,"consonant_length":null,"vowel":"o","vowel_length":0.13942819833755493,"pitch":5.627845287322998},{"text":"ハ","consonant":"h","consonant_length":0.08521442860364914,"vowel":"a","vowel_length":0.13033168017864227,"pitch":5.873485565185547},{"text":"ヨ","consonant":"y","consonant_length":0.0762455016374588,"vowel":"o","vowel_length":0.11843713372945786,"pitch":5.984899520874023},{"text":"オ","consonant":null,"consonant_length":null,"vowel":"o","vowel_length":0.17997729778289795,"pitch":5.975049018859863}],"accent":4,"pause_mora":null,"is_interrogative":false}],"speedScale":1.0,"pitchScale":0.0,"intonationScale":1.0,"volumeScale":1.0,"prePhonemeLength":0.1,"postPhonemeLength":0.1,"outputSamplingRate":24000,"outputStereo":false,"kana":"オハヨオ'"}%
Youtube API
次にYoutubeのライブチャットをプログラムから取得するためのAPIキーを取得します。
下記の記事を参考に取得してください。
"AIxxxxxxx-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx" のようなキーが得られればOKです。
この次のプログラム作成時にちゃんと取得したキーが動作するかも確認します。
Youtube チャンネル
最後にYoutubeチャンネルを用意しましょう。
Youtubeでライブ配信をする場合、事前にライブ配信を有効にするための申請をする必要があります。
申請はさほど難しくはないですが、結果が出るまで24時間ほどかかる場合があるので、早めに申請しておくのが良いでしょう。
下記の記事に写真付きで方法が載っています。
2の「配信のリクエスト」までを参考にすると良いと思います。
3. AITuberプログラムを作成しよう
さて、やっとメインのパートですね。
配信システムを作成します。
今回はより簡単にするために、プログラミング言語はHTMLとJavaScriptを選択しました。
作成するのは以下のようなシステムです。
本当はもう少し簡単にしたかったのですが、最低限でもこれくらいになってしまいました、すみません…。

下記よりプログラムファイルをダウンロードして利用してください。
GitHubからダウンロードする方法がわからない方は、下記のURLからコードをコピペし、index.htmlというファイルに保存してください。
https://raw.githubusercontent.com/tegnike/how-to-start-aituber/refs/heads/main/index.html
それでは、このプログラムの処理機構を順を追って説明します。
上の図を見ながら読んでいただけるとわかりやすいと思います。
プログラムを起動してVTubeStudioと接続する
VTubeStudioと接続することで、後ほど音声再生をするときに、AIキャラの口が音声に合わせて動くようになります。
Youtube APIを利用して最新のライブチャットを複数取得する
プログラムを起動すると先ほど取得したYoutubeのAPIキーを利用して配信中のライブチャットコメントを取得します。
このとき、コメントが複数ある場合は全て取得します。
1つもない場合は、10秒待ってから再度取得しに行く処理が実行されます。
なお、ここで取得されたコメントは、次にコメントを取得するときに再度取得されることはありません。
取得したライブチャットの中から最も適切なものを選択する
次に、OpenAIのAPIを実行して、取得した複数のコメントから最も適したコメントをAIを利用して1つ選択します。ここで選ばれたコメントが回答を生成するのに使用されます。
例えば、「おはよう」と「今日の予定は?」だと後者のほうが話題が広がりやすいと判断され、選ばれやすくなると言った感じです。
選ばれたチャットを利用して回答を生成する
上で選ばれたコメントと、先程作成しておいたキャラ設定からAIで回答を生成します。
「今日の予定は?」だと、「今日の予定は、みなさんとたくさんお話しして、リクエストがあればピアノも演奏しようと思ってますよ〜」のように返してくれるはずです。
生成した回答をVOICEVOXで音声データ化する
この作成された回答を元に音声合成ソフトのVOICEVOXで音声データを作成します。
音声再生と同時にキャラクターの口を動かす
音声データを再生します。同時に、最初に接続しておいたVTuveStudioを利用し、キャラクターの口を動かします。
これであたかもキャラが喋っているかのように見えます。
会話歴を更新する
最後に今の会話を保存します。
ユーザー「今日の予定は?」
AIキャラ「今日の予定は、みなさんとたくさんお話しして、リクエストがあればピアノも演奏しようと思ってますよ〜」
この保存されたデータは次の会話で使用され、記憶のように引き継がれます。
あとはチャットを取得する処理から繰り返すことで、AITuber配信が完成します。
4. プログラムを動かしてみよう
では実際にこのプログラムを動かしてみましょう。
いったん配信はせずに、手元で確認するだけにします。
1. 各種ツールの起動
まず、VOICEVOXを起動します。
先ほど立ち上げたアプリが表示されていればそれで問題ありません。
次にVTubeStudioを起動し、キャラクターを選択します。
今回は Hiyori_A を選択しますが、他のモデルやご自身が用意したモデルでももちろん大丈夫です。
設定画面から「VTubeStudio Plugins」の「APIの起動」をオンの状態にしておいてください(下記の画面の様になっていればOKです)。
なお、この時表示されるポート番号を使用するので覚えておいてください。
基本は8001番のはずですが、別の処理で使われていると自動的に8002番になっていたりします。

あとこれは本筋とはズレるのですが、Hiyori_Aはデフォルトだと動きが少しうるさいと感じる場合もあるので、その際は左上の人形アイコンをクリックし、下記の画面の待機モーションのところを hiyori_m01.motion3.json にするとおとなし目の動きに変更できます。

次にYoutubeの準備をします。
ライブ配信の申請が完了していれば、右上の「作成」から「ライブ配信を開始」というリンクが表示されるようになっていると思います。

クリックするとこのような画面になります。

ここから配信準備をするのですが、一旦この画面が開ければ問題ありません。
配信を開始しなくても、すでに右のチャット欄のテキストはプログラムから取得できるようになっているためです。
ここでURLをチェックしてください。
https://studio.youtube.com/video/XXXXXXXXXX/livestreaming
このURLの「XXXXXXXXXX」の部分をメモしておいてください。
これを配信IDと言い、後ほど利用します。
これで各ツールの準備は完了です。
2. プログラムの設定
先ほどのコードを使用します。
ダウンロードしていない方は改めて下記からしておいてください。
まずはサーバーを起動します。
cd how-to-start-aituber
python -m http.server 3000
index.htmlがあるフォルダでpythonコマンドを実行します。
これでローカルの3000番ポートでサーバーが起動しました。
⚠ pythonコマンドが実行できない方はpythonを使用できるようにインストールしておいてください。
⚠ 3000番ポートで無くても問題ありません。すでに使用されている場合は3001番など、適宜番号を変更してください。
この状態でブラウザから http://localhost:3000/ にアクセスすると、下記のような画面が表示されるはずです。


それでは各項目を解説します。
それぞれの設定が適切に入力されていないとうまくいきません。
Youtube設定

事前に取得しておいたYoutube APIキー、そして配信画面のURLから取得した配信IDを設定します。
これでYoutube APIを利用して、指定の配信からチャットを取得できるようになります。
チャット取得間隔は、チャット欄にコメントが来ていなかった場合に何秒待ってから次を取得するのかを決定するものです。
1秒などにするとかなり高頻度にチェックしてくれてAITuberの待機時間が減りますが、Youtube APIはリクエストの上限が決まっているので高頻度に実行するとすぐに制限に達してしまうので注意が必要です。
OpenAI設定

APIキーでは先程取得したOpenAI APIキーを入力します。
モデルは安価で高速なgpt-4o-miniと、性能が良いgpt-4oがありますが、gpt-4o-miniの方で問題ないと思います。
試していてプロンプトの指示に従わないと思った場合はgpt-4oに変更してみてください。
システムプロンプトでは、キャラクター設定の章で作成したプロンプトをそのまま入力します。
コメント選択プロンプトは、複数チャットコメントがあった場合にどれを選ぶかを決定するために使用されるプロンプトです。
基本的にはそのままで問題ないと思いますが、こちらも気になるようであれば修正してもらって大丈夫です。
VOICEVOX設定

エンドポイントはVOICEVOXのサーバーのURLを入力しますが、このまま変更しないで大丈夫です。
VOICEVOXでは話者リストが約50個ほどあるので、キャラクターの設定に合わせて選択してください。
VTubeStudio設定
先ほどVTubeStudioで設定したポート番号を入力し、接続ボタンを押します。
通常は 8001 番のままで大丈夫です。

すると、VTubeStudioの方にこのようなモーダルが表示されるので、「許可する」を押してください。

これでVTubeStudioと接続できました。
会話履歴

保持する会話数は、どれくらい過去の会話を記憶しておくかを決定します。
例えば10件に設定すると、11個前の発言は忘れてしまうことになります。
ちなみに、視聴者とAIの会話はそれぞれ1つとカウントされます。
会話履歴では過去の会話の様子が表示されます。
なお、今しがた設定した項目はブラウザを再読み込みすると消えてしまいます。
index.html と同じフォルダにある settings.js に各データを予め設定しておくことができるので、都度入力するのが面倒な場合はこちらのファイルを編集するようにしてください。
3. プログラムの起動
それでは早速実行してみましょう。
「開始」ボタンを押してください。
全ての情報が正しく入力されていれば、開始ボタンの下に何かしらのメッセージが表示されるはずです。
最初はおそらくチャットに何もないので下記のメッセージが表示されると思います。

では、先程準備したYotubeチャンネルのライブ配信画面から適当なメッセージを入力してみましょう。
適切に処理されていれば下記の動画のようになるはずです。
記事用のテスト投稿 pic.twitter.com/rYBnZ7UYW8
— ニケちゃん (@tegnike) February 23, 2025
この動画では、以下のように処理が実行されています。
開始ボタンクリック
Youtubeライブチャットからコメントを1つ選択して回答を生成
音声再生と同時にキャラが喋る
キャラが喋り終わる前に次のメッセージをチャット欄に入力
プログラムが再度チャット取得処理を実行して今入力した内容を取得する
それに合わせて回答生成し、キャラが喋る
新しいチャットが無いので10秒待つ
プログラムの処理機構は以上です。
大体流れが把握できれば問題ありません。
5. 実際に配信をしてみよう
では最後に配信をしてみましょう。
ここまで来たらあと一息です。
今回はOBS Studioを配信ソフトとして利用します。
詳細な方法はあえてこの記事でする必要もなければ、記載すると長くなってしまうので省略します。
OBSを利用してYoutubeライブ配信する方法は下記の記事を参考にすると良いでしょう。
VTubeStudioと会話歴部分を良い感じに設置して、配信してみた結果が下記の動画です。
かなりシンプルな構成ですが、AITuberとしての体裁は取れています。
これでAITuberの作り方チュートリアルは終了です。お疲れ様でした。
理想のAITuberを作る
今回は必要なツールの説明から始まり、処理機構を見ながらシンプルなAITuberを作成してみました。
大まかにAITuberの仕組みについて理解できたと思います。
とはいえ、最初に説明した通りAITuberに正解はありません。
もしこの記事を読んで自分もAITuberを作ってみたい!と思ってみた方がいたら、ぜひ「私が思う最高のAITuber!!」を作成してみてください。
下記の記事はAITuber作りの考え方としてかなり参考になったので、一読してみることをオススメします。
また、今回はほとんどコードの内容には触れてこなかったので、これを機に一からプログラミングを始めて見たいという方は、下記の書籍が大変参考になります。
最後に手前味噌ではありますが、私が作成しているAITuberListというその名の通りAITuberが一覧でまとまっているサイトがあるので、こちらから自分の考えに近いAITuberを探してみるのも良いでしょう。
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冒頭でも紹介した通り、AITuberKitという誰でも簡単にAIキャラアプリやAITuber開発ができるツールを開発しています。
実は今回作成したような機能は一通り実装してあり、今回の手順よりももっと簡単にAITuebrを始められます。
興味のある方はぜひ試していただけると嬉しいです🙌
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