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ゴリさんこと照屋年之監督インタビュー ある1組の夫婦の形であり、ある1組の夫婦の物語として丁寧に描いた『かなさんどー』 - otocoto | こだわりの映画エンタメサイト
Feb 27, 2025 interview

ゴリさんこと照屋年之監督インタビュー ある1組の夫婦の形であり、ある1組の夫婦の物語として丁寧に描いた『かなさんどー』

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お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリさんこと照屋年之監督。前作『洗骨』(2018) では、自身の両親の経験をベースに、沖縄の離島・粟国島に残る死者を弔う風習を描き、日本映画監督協会新人賞を受賞。そして6年ぶりの最新作『かなさんどー』では、沖縄を舞台にある夫婦の愛の思い出を娘が綴っていきます。

本作の主人公である【美花】には大河ドラマ「光る君へ」などに出演する沖縄出身の松田るかを抜擢。美花の母【町子】には劇団四季出身で舞台やドラマ、映画に出演する堀内敬子。父【悟】に「SHOGUN 将軍」でゴールデングローブ賞テレビドラマ部門 助演男優賞を受賞した浅野忠信をキャスティング。今回は、監督・脚本を務める照屋年之さんに、家族への想いと映画制作への思いを伺います。

――今作『かなさんどー』では愛する人との[思い出]を見せて頂きました。なぜ照屋監督が[思い出]に焦点を当てた映画を作ろうと思われたのか教えてください。

僕の中で“お父さんのことが嫌いな娘が行動を起こすきっかけをくれるものは何だろう?”と思った時に、“やっぱり愛し合っていた夫婦の思い出かな”と思ったんです。それは写真のアルバムよりも日記の言葉の方が心を揺さぶられるのではないかと思い、今回、日記にしました。

――照屋監督は『洗骨』でご両親の出来事を描かれていますが、今回も妻に先立たれた父親を描いています。ご自身はお父様のことを好きだったのですか。

どうなんでしょう?破天荒な親父だったので‥‥。喧嘩する時もありましたし、2人で話してケラケラと笑う時もありました。本当に色々なことがありました。何だろう?父親に対して好きとか嫌いとか言葉で表現するのは難しいですね。父親は父親でしかないみたいな、母親も含めて。良いところも悪いところもあった感じです。ちょうど、母親が亡くなった時にたまたま日記が出て来て、父親との恋愛の時のことなどがそこには書かれていたんです。無意識だったのですが、その出来事に影響されて脚本を書いていたということに後で気づきました。書いている時はそのことに気づいてなかったのですが、その出来事が頭のどこかに残っていたのだと思います。その日記に書かれている内容は“母ちゃんが女になって書いている”と思わせるものでしたから。

――私も父親が亡くなった時、同じように父の日記を見つけて読んだんです。その時、初めて父の内面を見たような気がしました。この映画を観た時、好きになれなかった父を少し理解することが出来て泣けました。

なるほど。お父さんが書いていたんですね。僕は母ちゃんが書いたものでした。

――夫婦の思い出という意味では一緒ですね。

娘は父親のことを嫌いになりがちかもしれません。息子はどうなんだろう?親父は母ちゃんに苦労をかけた問題児だったのですが、周りからは好かれていたんです。それが余計に腹が立って。イイ顔をするというか、基本、優しい人なんです。親父と喋ると皆、楽しくなるので、自然と人が集まるんですよ。でも、大人になるにつれて、親父に問題があるからといって「嫌だ」とは言ってはいられないと思うようになったんです。皆、それぞれ良いところも悪いところもあるから「お前は完璧なのか?」と自分自身に問いかけることもあります。何かしらの欠点を皆持っているんですよね。そこを認めてあげないといけないと思っています。それがもしかしたら、今回の主人公【美花】が行動にうつした結果かもしれません。









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