【10月12日 AFP】国内携帯電話3位のソフトバンク(Softbank)が買収を検討していると報じられた米携帯電話3位のスプリント・ネクステル(Sprint Nextel)は11日、買収についてソフトバンクと交渉中であることを認めた。実現すれば米国の携帯電話業界に大きな影響を与える可能性がある。

 スプリントは声明の中で、ソフトバンクがスプリントに相当額の投資をする可能性について両社が協議中だと認めるとともに、「協議がなんらかの取引につながるか、そうなるとすればどのような条件になるかは現時点では何の保証もできないが、スプリントの経営権が変更される可能性がある。合意に達するまでこれ以上のコメントを発表するつもりはない」と発表した。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は、ソフトバンクは128億ドル(約1兆円)を投じてスプリントの新株を取得し、さらに株式公開買い付け(TOB)で同社株の追加取得を目指していると報じた。

 同紙は消息筋の話として、ソフトバンクは最終的にスプリントの70%程度の株式を取得し、スプリントが大株主になっているが経営権は持っていないワイヤレスブロードバンドネットワーク、クリアワイヤ(Clearwire)の経営権を握ることを目指していると報じた。

 NHKは、交渉は既に進められており、投資額はおよそ1兆円に上るとみられると報じた。日本経済新聞(Nihon Keizai Shimbun)は、買収はソフトバンクの海外展開とコスト削減の加速を目指したものだと報じた。報道を受けてスプリント株は14.3%、クリアワイヤ株は70.7%上昇した。

 ソフトバンクは今月に入り、国内携帯電話4位のイーアクセス(eAccess)を約2000億円で買収すると発表していた。昨年から過去最高水準の円高が続いている中、日本企業は海外企業の買収の機会をうかがっている。(c)AFP/Sophie Estienne