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- 極めてまれな強気の株価指標が点灯し、S&P500の上昇が続くことを示唆している。
- 「Whaley Breadth Thrust指標」は、株価の上昇に影響を与えるのが、ごく少数の銘柄から幅広い銘柄に短期間のうちに変わったことで発動した。
- この指標が発動した1年後の勝率は100%で、S&P500の平均リターンは23%となっている。
極めてまれな強気の株式市場指標が点灯し、2022年10月に始まったS&P500種株価指数の61%の上昇相場がまだ続く余地があることを示唆している。
2024年7月16日、S&P500の「マグニフィセント7」以外の銘柄が急騰したことを受け、株価指標「Whaley Breadth Thrust」の強気シグナルが点灯している。
AllStarChartsのテクニカルアナリストであるグラント・ホークリッジ(Grant Hawkridge)がまとめたデータによると、S&P500でこのシグナルが点灯したのは、1950年以来15回目だという。
「Whaley Breadth Thrust指標は、5日間の値上がり銘柄数が5日間の値下がり銘柄数を約3倍上回ったときに発動される」とホークリッジはXで説明している。
言い換えれば、この強気指標は、株価の上昇に影響を与えるのが、ごく少数の銘柄から、幅広い銘柄に短期間のうちに変わったときに発動される。
6月の消費者物価指数(CPI)が低調だったこと、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが間近に迫っていること、11月の大統領選挙でドナルド・トランプ(Donald Trumpov)が勝利する可能性が高くなってきたことが相まって、中小型株は記録的な勢いで上昇している。
Whaley Breadth Thrust指標の重要性は、半年後の勝率が93%、1年後の勝率が100%であることだ。
つまり、この指標が発動してから1年後、株式市場は下落したことは一度もない。
この指標が発動した後のS&P500の平均的なリターンは、半年後で17.4%、1年後で23%となっている。これだけ上昇すれば、S&P500は7000近くになる。
「これも、あまり明白ではないが、株価が上昇しようとしていることを示す手がかりだ。確かに、これらのBreadth Thrust(騰落率)が高まるのは、弱気相場の終わりに起こることが多いだけに、それが過去最高値に近い状況で起こるというのは奇妙なことだ。しかし、かなり多くの銘柄が実際には上昇に加わっていなかったことから、それが引き金になっていることも理解している」と、カーソン・グループ(Carson Group)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ライアン・デトリック(Ryan Detrick)が、Business Insiderに宛てたメールに記している。
前回、Whaley Breadth Thrust指標が発動したのは2022年11月3日だった。それ以来、株価は20%近く上昇している。それ以前には、2020年6月、2019年1月、2009年9月に発動している。