本物かと見間違うクオリティ。
以前取り上げた雪原を草原に変えるAdobeのアルゴリズムなど、画風変換のアルゴリズムは何も真新しいものではありません。しかし、NVIDIAが発表したAIアルゴリズム「FastPhotoStyle」は、既存のアルゴリズムより各段に速い処理スピードを誇り、出来上がった画像のクオリティも高いのです。
FastPhotoStyleを開発したのは、 NVIDIAとカリフォルニア・マーセッド大学の科学者チーム。先月、「A Closed-form Solution to Photorealistic Image Stylization」という論文を発表しました。
PetaPixelによれば、従来のこういったアルゴリズムには低解像度画像の処理に数分かかる上、生成された画像にも矛盾が生まれていたり、人工的だと分かるクオリティのものばかりでした。一方、FastPhotoStyleで生成した画像はよりリアルな仕上がりで、実験では既存のアルゴリズムで生成した画像の倍も人々に好まれたという結果が出ています。それだけでなく、生成にかかる時間は従来の60分の1まで短縮されているのです。

Image: NVIDIA/GitHub
このアルゴリズムでは、画像生成を2段階に分けて行なっています。最初のスタイラゼーション・ステップでは参照画像の画風をコンテンツ画像に反映させ、次のスムージング・ステップでは空間的な矛盾がないように合わせているんだとか。

Image: axXiv
従来のアルゴリズムで生成されたものと並べてみると、FastPhotoStyleで生成した画像は確かにより現実味があってクオリティが高いです。コードはGitHubで公開されているので、試してみたい方はどうぞ。
Adobe SenseiのPuppetron機能に追いつけるかな?
Image: GitHub, arXiv
Source: arXiv via PetaPixel, GitHub
(たもり)