ジグザグ折りが強度の決め手。
ペラペラの紙は弱くてすぐシワになったり破れますが、ジグザグに折ると強度が出ます。不思議なようで当たり前のことですが、これは紙以外の素材にも当てはまるようです。
折り紙の強さをコンクリートで
スイス連邦工科大学チューリッヒ校にて、折り紙をヒントにコンクリート建築を強化する方法が研究されています。建築科博士課程の学生が考案したのは、「Unfold Form」と名付けられた手法。
板でジグザグ折りにした型を作り、コンクリートで成形した折り紙風のブロック4枚を、幾何学的に向かい合わせてアーチを作ると?
環境に優しい建造物ができる
A new type of concrete #Ceiling construction, developed by a doctoral student in #Architecture at ETH Zurich, is not only more sustainable to produce, but also #Reusable. https://t.co/u4YUnPGP2I
— ETH Zurich (@ETH_en) January 15, 2025
強度が増してコンクリートを60%、鉄筋を90%削減することに成功しました。アーチは古来より、上からの荷重を分散させる構造として使われています。さらにジグザグで支えると、もっと強度が高まるわけですね。
安価で簡単、どこでも作れる
「Unfold Form」は従来より少ない素材で作れるので、炭素の排出量を大幅に削減できるのも利点。
木型はローテクかつシンプルなので作るのが簡単。折りたためば収納はかさばらず運搬も楽チンです。もしくは木型のテンプレートがあれば、建築現場でこしらえることもできます。
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資源や資金がない発展途上国などに向いていることから、現在は大学内にひとつと、南アフリカのケープタウンにてバイオコンクリートでもうひとつ作られました。
日本でこそ研究して欲しい
折り紙は日本のものですし、50年ほど前に作ったインフラ設備がそろそろ限界を迎えようとしているという話もあるので、今後のインフラ整備に折り紙のアイディアを採用したらどうでしょうね?
Source: YouTube, X, ETH Zürich via YANKO DESIGN