2024年1月24日の記事を編集して再掲載しています。
にーばい! にーばい!
スマホでの写真撮影、皆さん楽しんでますか? 僕もiPhone 15 Proでの写真撮影を楽しんでいます。もうすごいね、コンピューティング処理。
iPhoneだけではありませんが、最近のスマホカメラは多くのレンズを搭載しています。メインカメラに加えて広角だったり望遠だったりと、スマホ一台で寄ったり引いたりするのも簡単になりました。
そんな現代だからこそ、言いたいことがございます。iPhoneのカメラはメインカメラよりも2倍望遠のほうがいい写真が撮れる、と!
<目次>
今回の記事の写真はiPhone 15 Proを使用しており、なおかつiPhoneのカメラについて長々と話していますが、考え方自体はAndroidにも応用できる部分もあるはずですので、そんな目で見ていただければ幸いです。
メインカメラ(1倍)と2倍望遠で「見え方」が変わる
まずはこちらの2枚の写真をご覧ください。
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1枚目の写真はiPhone 15 Proのメインカメラ(24mm24MP)で、2枚目の写真はクアッドピクセルセンサーによる2倍望遠(48mm12MP)で撮影しました。2倍望遠で撮影すると被写体に寄りすぎてしまうので、2枚目の写真は1枚目よりも腕を引いて撮影しています。
どちらも似た写真ですが、よくよく見ると1枚目の方が周辺(味噌汁やお水、お米など)のピントが甘くなっているのがわかりますか? さらに左下に(すごく見えにくいけど)撮影している僕の影が映り込んでいます。
2枚目の写真はピントの合い方も自然で、僕の影も映り込んでいません。被写体から離れたことで影が消えたわけですね。
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ちなみに1枚目と同じ撮影位置で2倍望遠に切り替えると、ここまで寄っちゃいます。2倍望遠でお料理全体を映すには、まぁまぁテーブルから腕を上げなければいけませんね。
それにしても倍率を1倍から2倍に変えただけで、どうして写真の印象やピントが変わってしまうのか。これには光学的な要素が関わってきます。
「望遠」のほうが「遠く」を捉える
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カメラのレンズには「焦点距離」があります。上の図でいうと左側の青いエリアは焦点距離が短いエリア(広角)で、右側が焦点距離が長いエリア(望遠)。
iPhone 15 Proのメインカメラは24mm、2倍望遠は48mmです。上記の図でいうと24mm=広角寄りの標準、48mmは標準寄りの望遠くらいのポジションになりますね(iPhoneの焦点距離は35mm換算されており、実際のメインカメラの実焦点距離は6.86mmですが、ロジック自体は同じ)。
一般的に焦点距離が短い広角レンズは画面全体を写し、望遠レンズは遠くを捉えることができると解釈されています。
「望遠」にすると「見え方」が変わる
これに加えて、被写体の「見え方」にも差が出てくるのが今回のテーマです。
よく言われるのが「圧縮効果」です。これは焦点距離の長い望遠レンズで撮影すると遠近感が減衰し、人がまばらな駅周辺の映像がまるで人混みのように見えてしまうアレのこと。
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ニコンのサイトに素晴らしい事例が乗っているので紹介します。上の3枚の写真はいずれもモデルさんが画面中央に見えるよう撮影していますが、背景のビルや地面の見え方が全然ちがいますよね。左の広角レンズの写真は遠近感が強く出ており、右の望遠レンズの写真は遠近感が消失=圧縮されています。
これと同じことがスマホのカメラでも発生しており、記事冒頭のお料理の写真の違いにも現れています。お手製のイラストを交えて説明しましょう。
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青い範囲がメインカメラ=1倍の範囲で、黄色の範囲が2倍望遠で撮影できる範囲です。1倍は焦点距離が短いため遠近感が出てしまい、被写体に対して意図しない距離感やボケが発生します。2倍で撮影すればその遠近感はいくらか抑えることが可能です。
同じ感じで撮っても、望遠は細部がくっきり
遠近感が感じられる作例をもう1つ紹介します。生肉が出てくるのでややご注意。
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こちらはメインカメラで撮影したもの。右上のトロカルビや、左上のマキといった文字がボケていますね。
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同じ見え方になるよう2倍望遠で撮影。さきほど読みづらかった文字がクッキリしていませんか?
スマホカメラは料理の写真を撮るにはうってつけのツールです。iPhoneのメインカメラは広い範囲を撮れるよう広角になっていますが、自然な見え方を意識するなら2倍での撮影をオススメします。遠近感をたっぷり出したい時は広角の利用も有効なので、使い分けももちろん有効ですよ。
望遠を使うと「背景」が目立たなくなる
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実際のところ、iPhoneのカメラでどれだけの遠近感&圧縮感が得られるのか。上の写真のように、グリッド中央にカップが収まるよう画角を合わせて、超広角→メインカメラ→2倍望遠→3倍望遠と撮影してみました。
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どんどん空が見えなくなり、カップを置いている木の柵の奥行き感が消失していきましたね。写真全体に対するカップの割合、つまり被写体の大きさは変えていないのに、焦点距離を変えるだけでこんなにちがいが出ちゃうわけです。
iPhoneで2倍望遠を使いやすくするための設定
iPhoneのカメラはメインカメラだと広角すぎて遠近感が出てしまうから、2倍望遠を主軸にするのがオススメ。この記事で言いたかったことはコレです。あとは光学的な部分ではありませんが、不要なものをフレームに入れないことが写真上達のコツと言われたりもします。画角を狭める望遠は、被写体以外をフレームから外すにも有効な方法です。
最後に、デフォルトのカメラアプリの細かい設定方法を紹介しておきます。
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設定→カメラ→設定を保持。この中の項目をいじると、カメラアプリを起動するたびに変更される機能を細かく設定できます。「毎回Live Photoの設定をオフにするの面倒すぎる」って人は、ここから即刻オフにしておきましょう。
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またiPhone 15 Proの場合、カメラ→メインカメラと進むと、メインカメラの倍率を変更できます。デフォルトでは24mmですが、28mmもしくは35mmまで変更が可能です。カメラ起動時に「1」と書かれている倍率をタップしても変更ができますが、デフォルトで変えておけばとっさの撮影でも遠近感を減少させられるかと。
スマホカメラはメインのレンズしか使っていなかったという人は、ぜひ他のレンズを触ってみてくださいな。特に「ほどほどの望遠」は遠近感をなくしつつテーブルフォトなどにも使える便利な画角ですよ。
Source: Panasonic, ニコンイメージング, 35mm換算ドットコム
2024年1月24日21:55:初出時、『「望遠」のほうが「遠く」を捉える』において、2倍望遠の焦点距離が誤って記載されておりました。これを修正するとともに、説明の仕方もよりわかりやすくなるよう改めております。
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