群馬県高崎市が舞台のドラマ「こむぎの満腹記」。小麦料理をこよなく愛する主人公の女子大生、橘こむぎが「パスタの街」として知られる同市を訪れ、さまざまな料理と出合う物語で、食を通して地域の魅力を伝えている。同市とテレビ東京による共同制作番組の第4弾として2023年9、10月に前後編2話が放送された。
飲食店の場面は実在の店舗を使った。撮影を支援し、出演もした高崎フィルム・コミッションの山藤堅志さん(61)によると、地元に根付いた人気店を選び、高崎駅や上毛野はにわの里公園も登場する。劇中では東京に設定した場面も市内のカフェや台湾料理店でロケしたという。
同市出身の枝優花さんが監督を務めた。主人公のこむぎ役は、一部を本県で撮影した映画「ミステリと言う勿(なか)れ」(23年公開)でヒロインを演じた俳優の原菜乃華さんが演じた。渋川市出身の渋川清彦さん、玉村町出身の大崎章さんら群馬県ゆかりの出演者も作品を彩る。富岡賢治高崎市長も本人役で出演した。
ドラマは食を通じて高崎の魅力を全国に発信し、知名度やブランド力の向上を図ろうと制作。市広報課は「高崎の食文化を多くの人に知ってもらい、ドラマを通じて訪れるきっかけになっていただけるとうれしい」としている。
ロケ地を巡ると、ドラマの視聴を機に聖地巡礼を楽しむ人の姿も。小麦グルメのおいしさや人の温かさにおなかも心も満たされた。