「何をやっているか?」、「成果は何か?」といった「WHAT」は、たいていの場合、一目瞭然。また、ここに至るプロセスをさかのぼって紐解いていけば、「どうやったのか?」という「HOW」も明らかにしやすいですね。
では「なぜ、これをやっているのか?」(WHY)はどうでしょう? これは抽象的で、他人はもちろん、自分自身ですら、ときに捉えづらいものですね。しかし、実はこの「WHY」こそ、ヒトのアクションの原動力なのだそうです。
『Start with Why: How Great Leaders Inspire Everyone to Take Action』の著者Simon Sinek氏は、世界の著名人が講演するカンファレンス「TED」で、アップル社、ライト兄弟、キング牧師(Martin Luther King Jr.)を例に挙げ、「WHAT」や「HOW」よりも、「WHY」に注目する大切さについて、説いています。
このスピーチでは、「WHY」は、物事の目的・原因・信条と定義づけられ、ヒトの意思決定の源となり、アクションを動機付ける原動力であると述べられています。
ゆえに「WHY」は、個人レベルだけでなく、企業・組織やそのリーダーにおいても、注目すべきポイント。従来のマーケティングでは、製品・サービスの特徴(WHAT)や、競合との差別化(HOW)が強調されがちですが、顧客の心を真に動かすためには、この製品・サービスを世に送り出す原動力となった「WHY」についてきちんと伝え、共感されることが大切だとか。もちろん、この前提として「なぜその企業・組織は存在しているのか?」を、企業・組織自身が正しく認識することが必要です。
これは、人々を導くリーダーも同様。人を動かすためには、自分の信じることを伝え、これによって人をインパイアすることが重要だと、Sinek氏は訴えています。
Sinek氏のスピーチは、以下の動画でご覧いただけます。18分強と若干長めですが、ご関心のある方は、ぜひご覧ください。
Simon Sinek: How great leaders inspire action
[TED via Swiss Miss]Adam Dachis(原文/訳:松岡由希子)