仕事に喜びを見出すのに苦労している人は多いもの。そんな中でも、積極的に仕事に取り組み、充足感を得ている人がいます。そんな風に、仕事を楽しめるようになるにはどうしたらいいのでしょう? 3つの秘訣をお伝えします。仕事で喜びを得られない理由は、真のポテンシャルを発揮できていないことにあります。Energy ProjectのTony Schwartz CEO、ジョージタウン大学マクドノービジネススクールのChristine Porath准教授によるNew York Timesの記事「Why You Hate Your Job」が、人々が仕事に喜びを見いだせない理由について、詳しい解説をしています。

私が思うに、「成功を収めること」と「心から楽しむこと」の間で悩んでいて、両方を同時に実現できることに気づいていない人が多いのではないのでしょうか。でも、私がこれまで出会った全米のエグゼクティブを見る限り、両方を同時に実現することはできるのです。

仕事を楽しむなんてことは、人生の宝くじを当てるようなもので、ほとんどの人が達成できないことだと思われています。物質的なものを越えた経験は、充足感、やりがい、積極性をもたらしてくれます。問題なのは、仕事を楽しむことが、成功のために必要な足がかりではなく、副産物として考えられていること。つまり、仕事を楽しむことが、成功のための欠かせない要素としてではなく、「できたらいいね」程度にしか考えられていないのです。でも、仕事を楽しむことは、願うことでも夢見ることでもありません。それには、ハードワーク、コミットメント、そして戦略などの努力が必要なのです。

それに、仕事を楽しむことは宝くじを当てるような夢の話ではありません。コツさえつかめば、それよりもずっと簡単なことなのです。

変わることを心に決めて、仕事に積極的に取り組む

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誰もが、仕事を楽しみたいと思っています。世界でも有名な心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏によると、「人生最高の瞬間は、リラックスしているような受け身のときにはやってきません。(中略)むしろ、難しいけれどやりがいのあることを達成するために、自発的な努力によって身体や心が限界までストレッチしたときに訪れるもの」なのだそう。つまり人間は、やりがいを見つけたときに積極的になれるのです。

しかし、そのような状況は、待っていても訪れません。受け身の姿勢から攻めの姿勢にスイッチすることが、仕事で充足感を得るための重要な要素なのです。この攻めの姿勢、仕事を探しているときには誰もが持っているものですが、実際に仕事が始まってしまうと受け身の姿勢になってしまう人がほとんど。職探し中の情熱が、日々の業務になると一気に落ち込んでしまうのです。日々の仕事を楽しむことを、ウィッシュリストからToDoリストに移動しましょう。

自分の才能と目標を把握し、それを追求する

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仕事を心から楽しむには、自分の特技を活かすことが必要です。そうすれば、充足感が得られるはず。まずは自分の特技を知ることから始めましょう。それができたら、日々の仕事の中でそれを活かすことに価値を見出し、その方法を見つけます。あなたは何をすると楽しく感じたり、充足感を得られますか?

自分でそれを知ることができなければ、誰かに聞いてみるのもいいでしょう。才能とは、何をするかではなく、どのようにするかです。どのように考え、どのように課題を解決し、どのように情報を処理するのか。そのために高尚な目的は不要です。私の経験上、これまでに自分が経験してきた中心的な課題を把握し、その課題に悩む他者を助けることで、すぐに充足感を得ることができます。

スターバックスのハワード・シュワルツ氏がいい例です。彼は、両親がブルーカラーだったために健康保険に入れませんでした。そのため、自分の会社では、従業員の保険加入を助けることをミッションに据えたのです。「スターバックスのミッション:人々の心を豊かで活力あるものにするために――ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」。大事なのは、自分自身の2つの側面とそれを活かす戦略を、仕事のよりどころにすることです。

習慣とライフスタイルを変える

惰性的に仕事をする習慣ができてしまっているなら、それを壊すのは難しいことです。ギャラップ調査によると、仕事に打ち込んでいないアメリカ人は全体の71%。でも、仕事に打ち込まなければ、やりがいを得ることもありません。仕事を楽しむと心に決め、才能と目標を指標として位置づけたなら、次なるステップは習慣を変えることです。例えば、毎日やりがいのないない仕事に取り組んでいるのなら、極端な話、もっとやりがいを得られる仕事に転職するのもひとつの方法です。でもその前に、いまの仕事がなぜ自分に合っていないのか、現在の職場に相談するといいでしょう。積極的にコミットしたくなるようなチャンスを、自ら創るのです。積極性とやりがいを持つことを、ビジネスの主要目的に加えてください。

もちろん、誰もがそのような自主性を持っているわけではありません。そんなときは、転職を考えるときかもしれません。どうすれば状況を変えられるのか、考えてみてください。自分の才能と目的をはっきりさせたうえで、心から楽しいと思える仕事を見つけたいと強く思えば、事態は変わるはず。あいまいだった焦点が定まり、完璧なチャンスを見つけやすくなるでしょう。

まとめると、仕事を楽しむことはスキルであり、訓練によって達成することが可能です。他の訓練がそうであるように、最初はとっつきにくい面もあるかもしれません。でも、仕事による充足感を一度味わえば、もう元には戻りたくないと思う自分がいるはずです。

The 3-Step Guide to Loving Your Job--Any Job|Inc.

Laura Garnett(原文/訳:堀込泰三)

Image adapted from jesadaphorn (Shutterstock). Photos by Pedro Figueiredo (Flickr), Dierk Schaefer (Flickr), and Sonny Abesamis (Flickr).
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