PLAYSTATION3(PS3)上で動くLinuxから,Cellプロセッサの高性能数値演算コアSPE(Synergistic Processor Elements)を使いリアルタイムに画像処理---12月8日の「CE Linux Forum JapanTechnicalJamboree#12」で,PS3上のLinuxでのCellプログラム実行のデモが披露された。
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![]() PS3上のLinnuxで,CellのSPEでの演算により,USBカメラから取り込んだ映像をリアルタイムに変化させるデモ [画像のクリックで拡大表示] |
![]() デモに使用されたPS3(開発用のもの) [画像のクリックで拡大表示] |
PS3のCPUであるCellは,PowerPC互換のメインプロセッサ・コアPPE(PowerPC Processor Element)と8個のSPE(Synergistic Processor Elements)を一つのチップ上に搭載する。そのため,PowerPC向けのLinuxが動作する。すでにFedora CoreやYellow Dog Linux,Momonga LinuxなどがPS3上で動作している。しかし,Cellの特徴であるSPE(Synergistic Processor Elements)をLinux上で動かすデモが公開の場で行われたことはこれまでほとんどなかった。
デモで披露されたのは,USBカメラから取り込んだ映像に対し,リアルタイムにレイ・トレーシングを行うというもの。フラクタル図形の一種であるジュリア集合を,パラメータを変化させて形を変えながら,それを透過する光線を計算し,映像を表示する。プログラミングにはIBMが公開しているCell SDK 1.1を使用した。LinuxディストリビューションはFedora Core5である。