仕事に対して前向きに取り組む姿勢を生み出し,個人の成長を加速させる「やる気」。この大切な“仕事への原動力”が,ITエンジニアにおいてどうなっているのか---。日経ITプロフェッショナルは2006年1月号の特集「ITエンジニアのやる気マネジメント術」と連動して,2005年11月に日経BPコンサルティングと共同で「ITエンジニアのやる気実態調査」を実施した。
ITエンジニアを対象にした任意参加のWebアンケートであり,前回のこのコラムでご協力をお願いした。その結果,有効回答だけで1613人もの方にご回答いただいた。この場を借りて,深く御礼を申し上げる。今回はその調査結果を抜粋して報告する。
半数近くが「自分のやる気が下がっている」
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図1●3年前と比べて,自分自身のやる気はどう変わったか |
まずアンケートでは「3年前と比べて,自分自身のやる気はどう変わったか」という質問をした。この問いに対して,「やや低くなっている」および「低くなっている」と答えた人は合計で45.3%にのぼった(図1)。つまり半数近くの人が,自分のやる気が下がっていると感じているわけだ。
30代前半のやる気が最も低い
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図2●ITエンジニアの年代別やる気の高さ |
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図3●やる気レベルの年代別分布 |
回答者全体の平均は,21.6だった。これだけ見ると「標準領域」の範囲内だが,JTBモチベーションズが調査した国内のビジネスパーソン約3万5000人の平均値24.2より2.6ポイント低い。この差は決して小さくない。JTBモチベーションズの野本明日香コンサルタントは「他業界のビジネスパーソンと比べて,ITエンジニアのやる気は明らかに低い傾向が見られる」と指摘する。
特に深刻なのは,20代~30代のITエンジニアだ。年代別にやる気レベルを見ると,20代~30代はいずれの年齢層でもITエンジニア全体の平均を下回った(図2)。なかでも,キャリア10年前後の脂がのった30代前半でやる気が最も低くなった。やる気レベルの分布状況を見ると,30代前半は「低領域」および「危険領域」の割合が合計で42.2%にのぼった。20代~30代で見ても,3人に1人以上は「低領域」もしくは「危険領域」だった(図3)。