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ニュースリリース

米国 センター・フォー・オープンサイエンス(COS)と国際交流協定(MOU)を締結
~研究データ管理基盤「GakuNin RDM」にCOSのオープン・サイエンス・フレームワークを採用~

 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は、2019年10月29日、米国 センター・フォー・オープンサイエンス(COS:Center for Open Science、所長:Brian Nosek、ヴァージニア州シャーロッツビル)と事業協力に関する国際交流協定(Memorandum of Understanding: MOU)を締結しました。本協定により、両機関は、研究データ管理の基盤技術の研究・開発において連携・協力を図り、オープンサイエンスのより一層の推進に貢献することを目指します。まず、NIIが開発を進める研究データ管理基盤(*1)「GakuNin RDM」の基礎技術として、COSが開発したオープン・サイエンス・フレームワーク(OSF: Open Science Framework)を採用し、2020年度後半から正式運用スタートする予定です。

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 NIIはオープンサイエンス基盤研究センター(*2)(RCOS、センター長:NIIコンテンツ科学研究系教授 山地 一禎)において、研究成果を適切に管理・共有し、研究データの利活用を高め、イノベーションを可能にする研究データ管理基盤。「GakuNin RDM」の開発と実証実験を進めています。一方、センター・フォー・オープンサイエンス(COS)は全世界に向けてオープンサイエンスを推進する非営利組織であり、研究データ基盤オープン・サイエンス・フレームワーク(OSF: Open Science Framework)を2013年から開発・提供しています。OSFは研究データ管理用のオープンソースソフトウェアで、拡張性・運用性が高く柔軟な開発が可能です。今回、NIIが2021年3月に運用スタートの予定で研究・開発を進めるGakuNin RDMの基礎技術としてOSFを採用することになりました。今回締結したMOUによるCOSとの協力体制のもと、NIIは日本の大学・研究機関のニーズに応じた研究開発に取り組んでいきます。

 こうした技術開発に加え、研究データ管理の推進に必要となる啓蒙活動においても、COSとの連携・協力を図ります。COSはOSFと研究データ管理のトレーニングコースを開発・運営しており、そこで得た知見をオープンサイエンスの啓蒙活動に取り入れています。NIIは日本の大学図書館と協力して研究データ管理研修コースを開発するにあたり、両機関で知識や経験を互いに共有します。

 NIIとCOSが連携・協力することで、国際的なオープンサイエンスの推進に貢献していきます。

国際交流協定(MOU)について

 NIIは国際交流を組織的かつ積極的に推進するため、海外の大学や研究機関とのMOU締結を進めており、締結先はアジア、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカ州の計30カ国・地域に及びます。また、研究協力に関するMOUに加えて、事業協力に関するMOUは、5カ国・地域の9機関と締結しています(*3)

研究データ管理基盤「GakuNin RDM」について

 GakuNin RDMは研究プロセスにおける非公開の段階にある研究データを管理するためのWebサービスです。研究プロジェクトの推進のために日々、産出される研究データを保存・管理し、共同研究者間でのデータ共有を支援します。同時に研究証跡保存機能により研究データの不正な改ざん等を防止する機能も有します。2020年度後半から日本国内の学術機関に向けてサービス提供予定です。

研究データ基盤NII Research Data Cloudについて

 NIIは2017年4月にオープンサイエンス基盤研究センターを開設し、本センターを中心として、大学や研究機関におけるオープンサイエンス活動を支えるための研究データ基盤NII Research Data Cloud(NII RDC)の構築を進めています。NII RDCは、学術研究活動の過程で生成される研究データや関連の資料を管理・公開・検索するための情報インフラです。それぞれに独立した、研究データ管理基盤(GakuNin RDM)、公開基盤(WEKO3)、検索基盤(CiNii Research)からなります。今回締結したNIIとCOSの協定は、特に研究データ管理基盤の研究・開発に関する取り組みです。

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ニュースリリース(PDF版)

米国 センター・フォー・オープンサイエンス(COS)と国際交流協定(MOU)を締結
研究データ管理基盤「GakuNin RDM」にCOSのオープン・サイエンス・フレームワークを採用


  • (*1)研究データ管理基盤:研究プロジェクト実施中に、個人の研究者あるいは研究グループが研究データや関連の資料を管理するための基盤。
  • (*2)オープンサイエンス基盤研究センター:世界的なオープンサイエンスの気運を受け、そのインフラとなる学術基盤を開発・運営するために、2017年4月にNII内に設置。学術論文と研究データがアカデミアおよび社会で広く共有され、幅の広い研究活動がオープンに行われることで、研究活動の加速化や、社会と緊密な連携の上に成り立つ問題解決が進み、学術活動が新しい次元(=オープンサイエンス)に移行することが世界的に期待されている。詳細はhttps://rcos.nii.ac.jp/参照。
  • (*3) MOU締結先:締結先の詳細は、NII公式サイトの「国際交流協定(MOU)の締結状況」のページ(http://www.nii.ac.jp/about/international/mou/)参照。
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