最近、生物の遺伝子の解読で
相次いで
生物の系統図が塗り替えられている・・・。
クジラの祖先がカバの仲間だったり
コウモリがウマに近い生き物だったり・・・などなど。
そして今回も
遺伝子解読で系統図が塗り替えられる
発見がされ、
背骨を持つ脊椎動物の祖先が
従来の説を覆すという
とんでもないニュースが飛び込んできた!
朝日新聞2008年6月19日
http://www.asahi.com/science/update/0619/TKY200806180356.html
ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し
ヒトとホヤの遺伝情報と比べた結果
最初に現れた脊索動物は
従来考えられた「ホヤ」ではなく、
「ナメクジウオ」であるとわかったという!
脊索動物とは
【 頭索動物(ナメクジウオ)+尾索動物(ホヤ)+脊椎動物 】
といったグループ。脊索、脊椎が芯となり体を支えている動物。
ナメクジウオ 学名(Branchiostoma belcheri )
頭索動物の一種。
ナメクジと魚を足して2で割ったような生き物。
体長は3~5cmほどで日本の瀬戸内海などの
浅瀬に生息する。
背骨(脊椎)のルーツである「脊索」が
頭から尾まで棒状に伸びて体を支えている
マボヤ
学名(Halocynthia roretzi )
尾索動物のホヤにも
成体には脊索はないが、
幼生段階ではオタマジャクシのような姿をした
遊泳性の生き物で
尾には脊索がある。
従来、
ナメクジウオよりも形態的に脊椎動物と
似つかわしくない
ホヤ(尾索動物)が
もっとも古い脊索動物であったと考えられた
しかし
今回のナメクジウオのゲノム解読で2万1600個の遺伝子を発見し、
すでに解読済みであったホヤ(尾索動物)とヒト(脊椎動物)のゲノムを
比較して、
現生の脊索動物ではナメクジウオの系統が
もっとも古い時代に分かれたことがわかった
というわけだ。
研究リーダーの一人、京都大の佐藤矩行教授によると
「脊索動物の進化と脊椎動物の起源について、
最終決着がついた。新たな学説はもう生まれない」
と話しているという。