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資料作成の質を高める5ステップ

資料のストーリーを設計する(Step2:設計)

連載「資料作成の質を高める5ステップ」:第3回

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 意味の分からない資料、意味は分かるけど腑に落ちない資料、腑に落ちるけど行動に移せない資料。このような資料はすべて失敗です。「準備」「設計」「手書」「作込」「仕上」の5ステップで失敗を避けることができます。そしてストーリーの「設計」で失敗すると、理解に苦しむ資料になります。つまり資料に何かを語らせるにはストーリーが重要なのです。今回は、資料のストーリーを「設計」する際に押さえておくべき3つのポイントについて説明いたします。今までの連載はこちらからご覧ください。

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左脳と右脳のはざまで

右脳と左脳

 私は就職して2年目のある日、衝撃的なことを目の当たりにしました。資料の内容(主張と根拠)が全く同じなのに、資料を作る人によって聞き手の反応が全く異なるのです。一方は伝え動かす資料、他方は理解すらされない残念な資料。私はしばらく天賦の才なのだろうと勘違いしていました。ある日、誰かがパワーポイントの資料を「紙芝居」と言ったのを聞いてハッと思いました。ストーリーの展開次第で「面白いお話し(紙芝居)」になることもあれば「つまらないお話し(紙芝居)」になることもある。私は論理展開に気を付けて資料を作るようになりました。

素材が同じでも組み立て方で印象が異なる

 論理展開に気を付けロジカルな資料を作れるようになったころです。私は「左脳的なガチガチに冷たい資料だな」と言われてしまいました。確かに、私の作る資料は数学の証明のようでした。読んでいて疲れる資料です。考えてみれば、比較的ロジカルな推理小説でさえ心の葛藤など感情を揺さぶるストーリーだからこそ面白いのです。資料の中に、自分のリアルな体験など理屈では語れない部分を入れると良いことに気がつきました。そうすることで、左脳的になりやすい資料に右脳的な要素(具体的な情景をイメージさせる)を少しでも加えることができます。もちろん視覚に訴えるページを作ることで右脳的要素を入れることもできます。要は、偏り過ぎないということです。

 ロジカルだけどロジカルすぎない、そんな資料のストーリーを設計する際におさえておくべき3つのポイントです。

  1. スケルトン(骨子)を作る(章立て)
  2. 各章の論理展開を考える(IREPの組み立て)
  3. 自分の体験や思いを組み込む箇所を考える

スケルトンと各章の論理展開

 次のページから、それぞれについて説明していきます。

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この記事の著者

高橋 威知郎(タカハシ イチロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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